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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日紹介した
  坪内稔典さんの『俳句いまむかし』という本に
  作家の川上弘美さんの俳句も
  載っています。

    接吻は突然がよし枇杷の花       川上 弘美

  この俳句は
  川上弘美さんの『機嫌のいい犬』という句集に
  あるそうで
  そういえば
  その句集読んだことがあったと
  探し出しました。
  2010年に読んでいました。
  なので、
  今日は川上弘美さんの
  『機嫌のいい犬』という句集を
  再録書評
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  川上弘美の世界がひろがる俳句集                   

 高級料理でもなく、名物料理でもない。どこにでもあるような食べ物であっても、どこかほっと息をつくようなものは誰にでもあります。
 私の場合は、卵かけごはん。湯気のたつ白いご飯にふっくらとした生たまご。それに醤油をたらして、ざくざくとまぜる。なんともいえない、ごちそうです。
 作家川上弘美さんの、しかも物語ではなく俳句となれば、なんだかそんな卵かけごはんに似て、これ以上のごちそうはないのではないでしょうか。これはそんなごきげんな句集なのです。

 川上さんが「俳句を、つくってみませんか」と誘われたのは、もう十七年前のことだそうです。奇しくも、俳句は十七文字の短詩文芸ですが、もちろんそれは関係ありません。
 で、川上さんはこう思います。「俳句ねえ。でも、俳句って、なんだか古くさい、昔のものなんじゃないの」。このことは若かった川上さんだけの思いではないでしょう。きっと若い人の多くは、俳句と聞けばそんな感想を抱くのではないかしらん。
 そんな川上さんですが、おそるおそる、海開きの頃にまだ冷たい海にはいる心境でしょうか、俳句の世界をのぞいてみます。「うわあ、と思いました。面白かったのです」。
 ちょうど、川上さんが『神様』という作品で小説家になろうとしていた頃です。

 川上さんは「俳句をつくって、わたしはあらためて日本語が好き」になったと書いています。たしかに作家川上弘美の物語の世界には、そういう日本語の魅力が自然に記されていることが多くあります。
 この句集は、1994年の、まだ俳句を始めてまもない頃の作品から2009年に詠んだ作品までが収められていますが、言葉が自由に行き来する様子は、そのまま、川上弘美さんの作品のなかに綴られる文章のようでもあります。

 俳句は定型であったり季語であったり、不自由な短詩文芸です。それなのに、これほどの自由になれるとしたら、川上さんにとって俳句とは「どこかほっと息をつく」文芸のような気がします。
  
(2010/11/13 投稿)

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