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プレゼント 書評こぼれ話

  麻雀の世界では、
  最後のゲーム(というのかな)を「オーラス」と
  いいます。
  そして、そのひとつ前が「ラスマエ」。
  ラストのひとつ前。
  その言い方でいえば、
  今回の「丸かじり」が「ラスマエ」の一冊です。
  本当なら、この本で最後の予定だったのですが、
  昨年(2009年)の暮れに最新刊がでたので、
  これが「ラスマエ」になってしまいました。
  これって本人にはかなりこたえますよね。
  紅白歌合戦でいえば、トリですよ。
  歌う準備でできたところで、
  新人歌手に一番いいところをとられたようなもの。
  田舎に帰りたくなりますよね。
  そんなときの顔って、
  メロンみたいに縦横に神経線が走るのかな。
  それに、顔色悪そうだし。

  じゃあ、読もう。

メロンの丸かじり 丸かじりシリーズ29メロンの丸かじり 丸かじりシリーズ29
(2008/12/05)
東海林 さだお

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sai.wingpen  食の冒険王                     矢印 bk1書評ページへ

 ザァッ、ザァッ、ザッ。
 道なき道を(といえば、道があるのかないのかはっきり決めろ、とつっこみたくなるが)探検隊が進む。
 ザァッ、ザァッ、ザッ。
 と、草むらのジャングルが(といえば、草むらなのかジャングルなのかどっちなんだ、とさらにつっこみたくなるが)突然開け、隊員Aが後ろの隊長に叫ぶ。
 「た、隊長! あ、あれは!?」
 ここで、CM。つづきは、トイレ休憩のあと。
 といっても、ここではCMなんて入りませんから、ご安心を。
 すぐさま、続けます。

 そういう未踏の土地の出かけていって、「人類が初めて踏み入れる」(といっても撮影する人が一番先じゃないのか、ともっとつっこみたくなるが)冒険家のTV番組が一時流行ったが、東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズの魅力のひとつは、断然この冒険心にあるのだと思う。
 貧乏な人にはいけないセレブな料理店、お金持ちにはいけないワイルドな居酒屋、お年寄りが腰を抜かしてしまうヤングなケーキ屋、若者が遠巻きしそうなオールドな定食屋。
 北ニ新シイ料理ガアレバ 行ッテ オイシイトイイ
 南ニ珍シイラーメン屋ガアレバ 行ッテ ダシハ何カトタヅネ
 空腹ノトキハ 涙ヲ流シ
 心配シナクテモ チャントオ金ヲ払ウトイイ
 ソウイウ くいしんぼう ニ 東海林ハナリタイ

 例えば、この『メロンの丸かじり』(2008年刊)でも、巷の話題となった「クリスピー・クリーム・ドーナツ」店の行列に並び、朝の九時からやっている居酒屋に出かけ、お燗ビールを出すという飲み屋を徘徊し、東海林隊長の食に対する冒険心は衰えるところ知らない。
 それって、単に食い意地がはっているだけではないんべか。
 という、猜疑的な意見はごもっともではあるが、なかなかいけないですよ。
 その行動力。
 その貪欲さ。
 その食い意地。(しまった、やっぱり言ってしまった)
 ここに「食の冒険王」という、勝手にこしらえた称号をさしあげたいと思うものであります。

 東海林さんが行かなくても行列はできるでしょうが、東海林さんが「丸かじり」シリーズで書いてくれたからこそ、ドーナツ店の行列に並んだ気分になり、朝の九時から酔った勢いになり、お燗ビールに度肝を抜かれた気分になるのであります。
 ああ、「食の冒険王」に栄光あれ。
  
(2010/01/10 投稿)

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