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プレゼント 書評こぼれ話

  今年7月に亡くなった
  歌手の弘田三枝子さんの代表作といえば
  やっぱり「人形の家」ではないだろうか。
  出だしの

   ♪ 顔も見たくないほど あなたに嫌われるなんて

  などは今でも歌える。
  作詞はなかにし礼さん。
  なかにし礼さんに
  イプセンの有名な『人形の家』の話が
  少しは頭にあったのだろうか。
  あまりに有名な古典ながら
  今回読んだのが初めて。
  ううん、こんな話だったのかというのが
  読み終わった最初の印象でした。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「人形の家」はどこにあるのか                   

 国語の教科書に必ずそのタイトルは出てくるはずの、あまりに有名な古典。
 だから、タイトルは聞いたことがあるはずだし、作者の名前イプセンだって耳にしたことがあるかもしれない。
 主人公の名前ノラ、この岩波文庫版ではノーラとなっているが、も、彼女が家を出るストーリーもなんとなく知っている。
 でも、ちゃんと読んだことがない人も多いのではないだろうか。

 イプセンによって作品が発表されたのは1879年。日本の明治12年にあたる。
 これは、三幕の劇で、いわゆる戯曲にあたる。
 主な登場人物は、有名な女性ノーラと今度銀行の頭取になることが決まった弁護士でもある夫、ノーラの友人の女性、それとノーラを脅かす男の四人である。
 どんな物語か、イプセンが残した「覚え書」がわかりやすい。
 「彼女は文書偽造をやった。(中略)夫に対する愛情から、夫の命を救うために彼女はそれをやったのだ。ただこの夫は、常識の目で批判し、法律の側に立って、男性の目でこの情況を判断する」
 ノーラはそんな夫に絶望して、家を出ていくのだ。

 でも、それはおかしいのではないか。
 いくら夫の病気治療のためにお金が必要だからといって、文書偽造はいけないのではないか。まして夫は弁護士ではないか。
 しかも彼女はそのことをすっかり忘れていて、幕開けでは夫が頭取に決まって買い物したりハミングしたり浮かれてばかり。
 それが悪い男に脅されて、切羽つまって、夫は自分を助けてくれないと、これは八つ当たりではないか。
 「人形の家」とはノーラが閉じ込まれていた家ではなく、ノーラの心にあるのがあまりに幼い「人形の家」に思えたのだが。
  
(2020/11/10 投稿)

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