FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  宇佐見りんさんの『かか』は
  三島由紀夫賞を最年少で受賞して
  話題になっている作品です。
  しかも、昨年の文藝賞も受賞しています。
  この時の文藝賞がすごくて
  2作の同時受賞だったのですが
  もう1作が
  今年の第163回芥川賞を受賞した
  遠野遥さんだったのです。
  若い人からすれば
  文藝賞を受賞したら
  もっと大きな賞がとれるかもなんて
  思ったりするでしょうね。
  いやあ、若いっていいなぁ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  若いって素晴らしい                   

 第33回三島由紀夫賞受賞作。(2020年)
 三島賞としては最年少の受賞、作者の宇佐見りんさんは21歳でこの作品を書いた時はまだ19歳だったという、で話題となった作品。
 しかも、昨年第56回文藝賞を受賞しているから、W受賞となった。
 三島賞の選考委員の一人、高橋源一郎氏はこの作品が「かか弁」と呼ばれることになった独特の文体を「極めて評価が高かった。女性の一人称の語りは現代文学の潮流」と評価しているが、決して読みやすいものではない。
 うさぎ年に生まれたからうさぎと名付けられた19歳の女性はまだ自身のことを「うーちゃん」といい、その名前で弟に語りかけるようにして書かれているが、どこの方言なのか、方言にもならない未熟な幼児語なのか、「かか弁」で全体が描かれているが、読む側にはかなり苦痛を伴うものではないだろうか。

 文藝賞の選考委員の磯崎憲一郎氏はそれを「完全に失敗」としている。
 それでも、心を病んだ母と娘、あるいは祖母と母との関係といった最近の女性作家たちがよく描く物語が新人賞に次々と選ばれるのは、なんといっても「書く力」だと思う。
 139枚の中編ともいえない長さながら、びっしり書き込まれた文字を目の前にすると、しかもそれが理解しがたい「かか弁」であればなおさら、これだけの作品を書ける人はそんなにいないことを実感するだろう。
 まさにそれは若い書き手だけが手にできる特権のような気がする。

 中上健次に魅かれて熊野に行ってそこでこの作品を書く力を得たという宇佐見さんが、「かか弁」を離れてこれからどんな物語を書くのか楽しみだ。
   
(2020/11/14 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/4510-78eb2bce