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プレゼント 書評こぼれ話

  三島由紀夫作品の
  三作目は
  『潮騒』を紹介します。
  この作品は昭和29年6月に
  書下ろしとして刊行され、
  翌年の昭和30年12月には
  新潮文庫の一冊にはいっています。
  私が『潮騒』を読んだのは
  たぶん中学生の頃だと思います。
  結構ドキドキしながら
  読んだことを覚えています。
  もちろん、今はドキドキしませんが。
  今回久しぶりに読み返して
  実によく書けている物語だと
  改めて思いました。
  三島由紀夫没後50年
  新潮文庫も解説者を変えたりしているようです。
  この機会に新しい三島由紀夫ファンが
  増えるのではないでしょうか。

  じゃあ、読もう。  

  

sai.wingpen  この作品で三島由紀夫を知った人の幸せ                   

 三島由紀夫の代表作といえば『金閣寺』になるのだろうか。
 三島の主だった作品を揃えている新潮文庫でも360万部を売っていて三島の作品では一位を誇る。
 あるいは『仮面の告白』や『憂国』『豊饒の海』をあげる人もいるかもしれない。
 では、新潮文庫で三島作品として二番目の349万部を売り上げているこの『潮騒』はどうだろう。
 何度も映画化されて多くの若い読者を得ているこの作品だが、三島の他の作品とは毛色が違うように感じる。
 まさに、三島由紀夫の異色の代表作といえるだろう。

 しかし、この作品こそこれから本を読み始める若い人に読んでもらいたい。
 何故なら、これは実にうまく出来た物語だからだ。
 この作品を読めば、物語がいかに面白いか体験できるはずだ。
 まず、登場人物の役割がしっかりしている。
 考えることよりも肉体の動きで生きているような青年新治。今だ純のままの少女初江。息子を信じる強い母親。初江に岡惚れして新治と敵対する村の金持ちの息子安夫。自分は醜いと思いこんでいる灯台守の娘千代子。人のいい灯台守の夫婦。
 誰もがそれぞれの役割を見事に演じている。
 そして、物語の構成の巧さ。
 新治と初江の出会い。雨の中での逢瀬。ここで有名な焚火を挟んでの二人のやりとりがある。
 千代子の誤解と嫉妬する安夫のたくらみ。新治と安夫の嵐の海での対決。
 誤解が解け、将来を約束される二人。

 もちろん、この作品をもって三島のギリシャ文学への憧憬とか言われているが、何よりも感性された物語を純粋に楽しめる作品といっていい。
  
(2020/11/20 投稿)

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