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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  森類の『鴎外の子供たち』という 
  本を紹介しますが、
  もちろんこの本を読むきっかけは
  先に読んだ
  朝井まかてさんの『』に
  誘発されたからです。
  朝井まかてさんのあの作品を読めば
  実際自身が書いた
  作品を読みたいと思うのでは
  ないでしょうか。
  この本は1956年に出て
  1995年にちくま文庫に入っています。
  朝井まかてさんの『』のあとに
  読んでみると
  面白い。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  彼がダメ人間とは思えない                   

 「不肖の子」という言葉がある。
 明治の文豪森鴎外の三男として生まれ、次男は幼くして早逝、姉が二人いる、鴎外が亡くなった時はまだ11歳で父との思い出はわずかながら、悪妻と評判されて母のこと、異母兄と個性豊かな二人の姉のころ、そして自分を正直に描いたこの回顧録にもわざわざ章のタイトルに「不肖の子」というのがついている。
 言葉の意味であるが、「親や師匠の才能を受け継がず愚かな子(弟子)」ということらしい。
 著者の森類の場合、鴎外は文豪というだけでなく医学博士であり軍医総監まで務めた人物でどんな人であってもそれを受け継ぐのは難しかっただろう。

 ただ類の場合は甚だその度合いがひどかったといえる。
 トランプのゲームの点数の暗算もできず、学校もほとんど行けず、母親は頭に障害があればまだいいのにと嘆き、絵の勉強をするも一流にはなれず、女性との初体験も母親に相談しての吉原でのこと。
 鴎外が残した資産も戦争で消え、だからといって会社勤めも出来ず馘。そして初めてのは本屋稼業。それも決してうまくはいかない。
 しかし、本当に類はダメな人間だったのだろうか。
 幼い時の記憶の細やかな描写など、これがダメな人間ができることだろうか。

 もしかしたら、類には多分な才能がありながら、それをうまく使うことができなかったのではないか。
 きょうだいのことを描くのさえ、横やりを受けてしまう、そういう弱さが類の弱点だったといえる。
 ただ1956年に発表されて文章があるからこそ、「鴎外の子供たち」は今も生き生きとしていると思う。
  
(2020/11/17投稿)

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