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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日紹介した
  メアリー・ノートンの『床下の小人たち』を原作にした
  スタジオ・ジブリの映画「借りぐらしのアリエッティ」が
  公開されたのが
  今から10年前の2010年。
  その年は岩波少年文庫創刊60年の年で
  その時宮崎駿さんが
  「岩波少年文庫の50冊」という豆本を
  作っています。

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  写真でわかるように
  ちょうどアリエッティが読むような大きさ。
  そして、この本をベースに
  翌年の2011年に出版されたのが
  岩波新書の『本へのとびら -岩波少年文庫を語る』です。
  今回、
  『床下の小人たち』を読むのに合わせて
  この新書も再読しました。
  今日は2011年に書いたものを再録書評として
  載せましたが、
  そこには触れていませんが
  宮崎駿さんはこんなことも書いています。

   読書というのは、どういう効果があるかということではないですから。
   それよりも、子どものときに、自分にとってやっぱりこれだという、
   とても大事な一冊にめぐり逢うことのほうが大切だと思いますね。

  子どもだけでなく
  今の私でも同じかも。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  今からでも遅くはない                   

 岩波少年文庫の巻末に「岩波少年文庫創刊五十年―新版の発足に際して」という文章が掲載されています。二〇〇〇年の六月に記されたものです。そのなかに「幼少期の読書の記憶の断片は、個個人のその後の人生のさまざまな局面で、あるときは勇気と励ましを与え、またあるときは孤独への慰めともなり、意識の深層に蔵され、原風景として消えることがない」とあります。
 自身の幼少期の体験を振り返れば、両親ともにあまり本を読まなかったのですが、何故か私には本を買ってくれた方かもしれなかったと思います。ただ本を読む習慣をもたない両親にとって、自ら買い与えるということはありませんでした。だから、岩波少年文庫は読んだ記憶がありません。
 それでも、『ジャングルブック』や『小公子』、『シャーロック・ホームズ』、『怪盗ルパン』といった誰もが幼少期に出合う本とは人並みに出合えたのは両親のおかげです。
 もっともすっかり大人になった今でも、もしあの時あの本に出合えていたらと思わないこともありません。でも、考えてみれば、本との出合いは人とのそれによく似ていて、運命的なこともあるのでしょう。
 私が幼少期に岩波少年文庫に出合わなかったのも、大人になって何冊かを手にしたのも、運命なのだと思えます。

 アニメーション映画監督の宮崎駿さんが薦める「岩波少年文庫の五〇冊」もそうです。
 けっして宮崎さんが子供の頃に出合った本ばかりではありません。青年期を経て、大人になって出合った本もたくさんあります。
 幼少期にこれらの作品に触れることは正しいことでしょう。しかし、そればかりがいいことではありません。
 本との出合いには、運命的な時期があります。もし、宮崎さんのこの本を手にする大人の読者が岩波少年文庫の一冊を読みたいと思ったとしましょう。きっと、その時、本が「おいで、おいで」をしている、まさにその瞬間なのだと思います。

 それでも、いい出合いをするためには、こういう読書案内のような本を読んで力をつけないといけません。読書にも訓練が必要なことを、多くの人たちが忘れがちです。
 岩波少年文庫の巻末の文章の最後の方に、「読書は意識して習得すべき生活技術」とあります。
 生活技術の習得は早い方に越したことはありませんが、大人になっても習得できる技術のひとつであることは間違いありません。
  
(2011/12/23 投稿)

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