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プレゼント 書評こぼれ話

  クリスマス本の定番といえば
  チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』。
  何しろ書かれたのは
  1843年ですから100年以上前のことですから
  古典も古典。
  それが今でも映画化されたりするのですから
  なんともすごい。
  児童書だけでなく各文庫にも必ず入っている名作。
  今回再読するの際して、
  私は光文社古典新訳文庫で読みました。
  新訳とはなってますが
  結構重い表現もあったりするので
  児童書で読む方が
  この作品には合うかもしれません。
  調べると
  このブログを始めた2008年に一度紹介しています。
  その時載せた書評が
  1994年に書いたもので
  今回もその時のまま
  再録書評で載せておきます。

  よいクリスマスを。

  

sai.wingpen  理想的なクリスマス                   

 妊娠小説なんていう文学の括りを考えつく人もいるように、文学には色々な区分けができる。その中でも、クリスマス文学ともいえる世界は絶対あって、特に児童書・絵本の類にはこれが多い。
 その中でもつとに有名なのが、文豪ディケンズが書いたこの「クリスマス・キャロル」だろう。

 この物語は、単純明快だ。
 人間嫌いのガリガリ亡者スクルージ爺さんは、クリスマスだというのに、たった一人で、クリスマスなんて何がいい、と拗ねている。その夜から、三人の幽霊が彼のもとを訪ねてくる。
 第一の幽霊は彼に過去を、第二の幽霊は今を、そして第三の幽霊は未来を見せる。
 純粋であった彼は、いつかお金を得、まわりの温かさや思いやりや不幸が見えなくなっていた。そして、誰に悲しまれることのない死を迎える。
 やがて、スクルージ爺さんは目を覚ます。
 そして、気がつく。人としての本当の生き方を。

 理想的なクリスマス。
 人と喜びを分かち合い、神に感謝する。愛する人に贈るものは、物ではなく、愛しているという自分の気持ち。そんな簡単なことを、僕たちは忘れていないだろうか。
 クリスマスキャンドルの小さな灯は、僕たちの心まで届いていない。
 こんな一世紀以上も読み継がれてきた名作を読むと、心のどこかに安心がある。
 物語に破綻がない。
 そのことが物語をつまらなくしているとしたら、贅沢だろうか。
  
(1994/12/22 投稿)

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