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プレゼント 書評こぼれ話

  2日間詩の本が続いたので
  今日は俳句の本。
  といっても
  書いたのは作家の川上弘美さん。
  『わたしの好きな季語』とありますから
  季語の本でもあります。
  この本のなかに
  「去年今年」という季語も紹介されていて
  この季語は今年の年賀状に使ったので
  今日も
  本の不思議なつながりを
  感じることになりました。
  川上弘美さんの本を
  最近読んでいないのですが
  嫌いになったのではありません。
  ただちょっとしんどいかな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  季語っていいな、ときっと思います                   

 川上弘美さんは芥川賞作家です。
 しかも、現在は芥川賞の選考委員でもあります。
 そして、『機嫌のいい犬』という句集も出していますから、俳人でもあります。
 つまり、この本は俳人川上弘美さんの、それでいて単なる俳句好きの人でもある川上さんの「季語」についてのエッセイなのです。

 川上さんが俳句をはじめるきっかけは1994年に第1回パスカル短篇文学賞に応募した頃だそうですから、小説を書いているのとほとんど同じだといえます。
 この本では川上さんの好きな季語とともにその季語がはいった俳句が収められています。
 なかに川上さんの句も数句収められています。
 「はるうれひ乳房はすこしお湯に浮く」、これは川上さんが俳句をつくりはじめた頃、すぐに使いたくなった季語「春愁」がはいっていて、春のぽわんとした気分を感じるいい句だと思います。

 この本では「季語」の話に紛れて、川上さんの子供時代の話や大学生の頃のこととか、川上弘美ファンにはうれしい話がたくさんあります。
 私がほほっーと思ったのは、「針供養」という季語のエッセイで、その中で川上さんは自身の離婚について書いていて「離婚にあたって、本棚のほかはほとんど何も夫のもとから持ち出さなかった」と綴っています。
 ただ唯一この別れた夫の母であった人が使っていた裁縫箱を持って出たといいます。
 エッセイでありながら、まるで川上弘美の短篇小説を読んでいるかのような、味わい。
 それは「俳味」に近いかもしれません。
  
(2021/01/05 投稿)

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