
2020年暮れに
立て続けに音楽関係の人の訃報が続きました。
作曲家の中村泰士さん
作詞家のなかにし礼さん。
なかでも、
なかにし礼さんは直木賞作家でもあったので
その半生を綴った本があるのではないかと
図書館で知らべると
今日紹介する『わが人生に悔いなし』という本を
見つけました。
この本には
2018年10月から12月に読売新聞に掲載した
半生記が載っていて
なかにし礼という人を知るには
わかりやすい一冊です。
人生には谷あり山ありといいますが
なかにし礼さんもまたそんな人生で
最後にたどり着いた思いが
わが人生に悔いなし、だったのだと思います。
ご冥福をお祈りします。
なかにし礼さん
たくさんの素敵な歌
ありがとうございました。

コロナ禍で暗く沈んだ2020年の暮れも押し迫った12月23日、一人の作詞家が亡くなった。
なかにし礼。享年82歳。
なかにしさんは『長崎ぶらぶら節』で第122回直木賞を受賞した作家でもあるが、やはり昭和を代表する作詞家としての功績が大きい。
なかにしさんが作詞をした多くの歌は今でも記憶に残っているが、「北酒場」のように晴れやかな明るい歌がある一方で、名曲「石狩挽歌」のように暗い色彩のものも多い。由紀さおりさんが歌った「手紙」でさえ、その冒頭は「死んでもあなたと暮らしていたいと」となる。
その暗さ、そしてその暗さの先に明かりを求める思考は、なかにしさんが育ってきた世界と関係していたのかもしれないと、2019年6月に刊行された自身の半生を綴ったこの本を読んで思った。
「わが人生に悔いなし」というのはよく言われる言葉だが、これを歌のタイトルとしてなかにしさんは亡くなる直前の石原裕次郎さんに提供している。
流行歌への作詞の道を薦めてくれた石原裕次郎さんへの思いは、この自伝の中でも綴られている。
その歌詞の中に「夢だろうと現実(うつつ)だろうと わが人生に悔いはない」と綴ったなかにしさんもまたそんな思いで旅立たれたのだろうか。
なかにしさんには死を意識したことが人生に三度あったという。
戦後の満州からの逃避行で経験した時、54歳の時の心臓発作、そして晩年のがんとの闘い。
中でも満州からの逃避行は、なかにしさんにとって生涯忘れることのなかった死の恐怖だったのだろう。
そういった体験が、人々の心にとどまる歌詞を生みだしたといえるだろう。
(2021/01/08 投稿)

応援よろしくお願いします。
(↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)


レビュープラス
| Home |