01/26/2021 ダイエーの経営再建プロセス(高橋 義昭/森山 一郎):書評「王様の耳はロバの耳、かも」

長引くコロナ禍で
倒産する会社も増えてきました。
ボーナスカット、希望退職募集、店舗閉鎖といった
かつて不良債権問題で
日本経済が大きく疲弊していた頃に
戻ったような感じさえします。
かつて小売業日本一を誇った
ダイエーも
なんと多くのこれらのことを繰り返したことか。
再建途上の新体制になっても
ボーナスカット、店舗閉鎖が続き、
優秀な若い人たちがどれだけ辞めていったことでしょう。
今日は
『ダイエーの経営再建プロセス』という本を
紹介します。
今、苦境に立っている企業で働く皆さんの
もしかしたら有効な一冊になるかもしれません。
執筆しているのは
かつてダイエーで働いていた
高橋義昭さんと森山一郎さん。
じゃあ、読もう。

スーパーとしての「ダイエー」の店舗は今でもあるから、利用されている人にとっては馴染みの店であるだろうが、かつては小売業日本一を誇った時代の寵児であったと聞けば、驚く人もいるかもしれない。
スーパーマーケットの代名詞が今や「イオン」や「ヨーカ堂」にとって代わられる以前、それは「ダイエー」であったし、「ダイエー」もまた多くの消費者や社会の要求に応えるべくその先頭を走っていたことは間違いない。
現在の大手小売業よりも格段に時代を牽引していたといえる。
本書は、そんな「ダイエー」が売上不振に陥り、多額の債務を抱え、経営再建の苦しい舵取りを迫られるようになった1998年から2013年に「イオン」傘下に入るまでの、長い16年の歩みを、当時「ダイエー」の経営の中枢にいた著者たちがまとめた経営書である。
もちろん歴史に「もしも」はない。それは、経営であっても同じだし、「ダイエー」の場合もあの時ああしていれば、はない。
しかし、何故「ダイエー」の経営再建が長きにわたったのか、しかも結局は「再建」にすら至らなかったと知ることは、歴史上の「知恵」となるはずだ。
特に本書の「終章」でまとめられた4項目は重要だ。
その内の「外部の目を活用すること」は自主再建段階時から行うことなど、「ダイエー」の再建はままならなかった実情から立った視点で、今後経営不振に陥った企業が再建を目指すに際しては有効になるだろう。
何よりも、人の話を聞く耳を持つことではないだろうか。
(2021/01/26 投稿)

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