02/09/2021 耳ぶくろ '83年版ベスト・エッセイ集(日本エッセイスト・クラブ編):懐かしの一冊

これは民俗学者の柳田国男の言葉だと、
作家の戸板康二さんがエッセイ「耳ぶくろ」で紹介している。
そうだよな、そんなに読める訳ない。
何しろ一年間に出版される点数だけでおよそ8万点。
つまりほとんど無理なのだ。
しかも、本棚には一度読んだ本たちが並んでいる。
今年は本棚に並んだ本を
せめて毎月3冊程度は読んでいくことを目標にしている。
今日紹介する
日本エッセイスト・クラブ編の
『’83年版ベスト・エッセイ集 耳ぶくろ』は
そんな一冊。

毎年一冊読んでいたら
一体いくつになってしまうことか。
この本はまずは単行本で出て、
その後文庫本化されている。
この『耳ぶくろ』の場合だと
単行本として出たのが1983年で、
文庫化は1986年になっている。
なので、今回読むのは3度めということになる。
文庫本で買い揃えていた時は
もちろん私も若かったので
いずれ退職したあとは余生としてまたじっくり読みたいと
思っていたものだ。
今が余生かどうかは別にして。

まだ20代の頃だ。
昭和でいうと58年。
年表をひもとくと
パソコン・ワープロが急速に普及したり
ロッキード事件で田中角栄元首相が有罪になったり
NHKの朝ドラ「おしん」が人気になった
そんな年だった。
東京ディズニーランドが開園したのも
この年で
私の下の娘が生まれたのも
この年の暮れだった。

井伏鱒二、開高健、野坂昭如、山口瞳、三浦朱門など
多くの人が鬼籍に入っている。
そりゃそうだな、
ほとんど40年前だもの。
読んだ当時は
いずれここに収められたエッセイのような
歯切れのいい、
情緒のある文章を書きたいものだと思ったものだ。
今回読んで思った。
いい文章は古びない。

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