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プレゼント 書評こぼれ話

  先日、映画評論家の双葉十三郎さんの逝去が報じられました。
  朝日新聞によれば、亡くなったのは昨年(2009年)の12月12日。
  99歳だったそうです。
  双葉十三郎さんといえば、故淀川長治さんと双璧をなす
  映画評論家の大御所。
  1952年から約半世紀にわたって、映画雑誌「スクリーン」に
  映画の評価を★の数で示した「ぼくの採点表」を連載していました。
  いまでは、★の数での評価方法はよくみかけますが、
  双葉十三郎さんがそのきっかけだったのかもしれません。
  今回の書評は、
  そんな双葉十三郎さんを追悼しての蔵出しですが、
  その書評にも書きましたが、
  若い時代に一読者としてお世話になりました。
  双葉十三郎さんがつけられた★の数に
  納得したり、首をかしげたり。
  今回の書評のタイトル「星はなんでも知っている」は
  自分ではとても気にいっています。

  双葉十三郎さんのご冥福をお祈りします。

  じゃあ、読もう。

外国映画ぼくの500本 (文春新書)外国映画ぼくの500本 (文春新書)
(2003/04)
双葉 十三郎

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sai.wingpen  星はなんでも知っている                矢印 bk1書評ページへ

 最近でこそ映画館に足を運んで映画を観るのは年に四、五回程度だが、若い頃は週に一度は映画を観ていた。もう二十年近い昔の話だ。名画座が華やかなりし頃だ。ビデオやDVDなんてなかったから、昔の名画を観るのは名画座に行くしかなかった。それにロードショーに行くお金もなかった。だから「スクリーン」や「ロードショー」といった映画雑誌を開いては、ため息をついてばかりいた。当時の私にとって、これらの雑誌は夢の入り口みたいなものだった。

 この新書のもとになった、双葉十三郎さんの「ぼくの採点表」は映画雑誌「スクリーン」に掲載されていた。毎月何本かの新作が☆印の採点付きで評価されていて、その採点を見るのも楽しみだった。この新書版では採点の高い作品五〇〇本が収められているが、雑誌掲載時は☆☆★★(篤志家だけどうぞ、という評価)の作品の方が面白かったりした。この☆の数で観る映画の基準にしていた人は多かったのではないだろうか。その後、こういった☆を使った評価方法はよく使われているが(この書評でもそうだが)、簡潔でわかりやすいこの方法は双葉さんの発明なのかもしれない。

 この本は辞書みたいに読むのもいいし、最初から順に読むのもいい。でも、双葉さんの軽快な語り口を愉しみたい人は、どこから読んでも構わないがぜひ五〇〇本全部読むことをお勧めする。映画評や書評の書き方の見本の五〇〇本でもある。例えば「ある愛の詩」(1970年のアメリカ映画で、日本でも大ヒットした悲恋映画)の短評の、「風が吹けば桶屋が儲かり、ヒロインが死ねば映画屋が儲かる」(23頁)なんていう最後の一節はなかなか書けないだろう。この文章に☆☆☆☆(ダンゼン優秀)をあげたい。

 最後にこの本には紹介されていない、「私の一本」をお勧めしよう。ロバート・マリガン監督「おもいでの夏」(1972年・アメリカ映画)である。主演のジェニファー・オニールの悲しい表情が切なく胸を打つ、青春映画の佳作である。ミッシェル・ルグランの音楽もいい。私にとっての☆☆☆☆★★の最高点の作品である。
  
(2003/06/22 投稿)

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