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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  第164回芥川賞受賞作
  宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』を
  紹介します。
  いい作品を読めて
  かなり満足しています。
  今回は候補作5作とも水準が高かったようで
  各選考委員の「選評」も
  読み応えがありました。
  いずれまた
  機会があったら紹介しますが、
  中でも川上弘美さんの「選評」は
  印象深く読みました。
  ぜひ「文藝春秋」三月号
  お読みください。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  今回の受賞作は、「推し」                   

 第164回芥川賞受賞作。(2021年)
 今回はまだ21歳(芥川賞歴代3番目に若い受賞だそうで)の現役の大学生の受賞ということで、何かと話題になっていて、先日も本屋さんの店頭でこの本を手にした女子高校生を見かけて、久しぶりに芥川賞もいいものだと感じた。
 今回の選評では「性も違い世代もかけ離れ、せいぜい日本人という共通点がある程度」という松浦寿輝委員が「異星人」のような主人公に「一応知的に理解はしても、何一つ共感することがない」と、年をとった読者の代弁のような書き出しが目についた。
 但し、松浦委員のこの後がいい。
 「にもかかわらず、リズム感の良い文章を読み進めて(中略)共感とも感情移入ともまったく無縁な心の震えに、自分でも途惑わざるをえなかった。」
 まったく同感である。
 「推し」という言葉さえ知らない世代ながら、一気に読ませる文章の力に、ここでも久しぶりに芥川賞はいいものだと感じた。

 なんといっても、松浦委員がいう「異星人」のような主人公あかりの造形がいい。
 事件を起こしたアイドルの一途に「推し」、事件後も見捨てることもないあかり。出来の悪い彼女は姉にも母からも辛くあたられ、「推し」を支えることが自身の「背骨」のように感じている。
 「異星人」のような主人公でありながら、あかりはやはり青春小説の主人公である、怒りや絶望やその果てにある希望などを持った若者像であることが、この小説に安心感を与えているように思う。

 若い読者にとって、この作品は抱きしめたくなるような、そんな出来上がりといっていいのではないだろうか。
  
(2021/02/23 投稿)

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