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プレゼント 書評こぼれ話

  第164回芥川賞候補作は
  選評を読む限りにおいては
  かなり充実していたようです。
  受賞作となった
  宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』も
  良かったけれど
  受賞には至らなかったですが
  今日紹介する
  乗代(のりしろ)雄介さんの
  『旅する練習』は
  私には受賞作以上に読み応えのある作品でした。
  ロードムービーというのは
  映画の一ジャンルとしてありますが
  これはまさにそれ。
  風景が見える作品です。
  一読をオススメします。
  絶対、推し!

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  私だったら、この作品に芥川賞を差し上げます                   

 第164回芥川賞候補作。
 作品の好き嫌いは結局読んだ人の好みによるものだろう。例えば、第164回芥川賞候補作となったこの中編小説についていえば、受賞作であった、そしてその作品も面白く読んだ宇佐見りんさんの『推し。燃ゆ』よりも、私は好きだな。
 こちらが受賞作でも不思議はないし、同時受賞ということもあったのではないか。
 そう思える作品だった。

 2020年春、コロナ禍の中、小学校を卒業したばかりのサッカー少女亜美(アビと読む。この名前の由来もいい挿話になっている)とその叔父である小説家とのサッカーの聖地鹿島を訪ねるロードノベルだ。
 なんといっても、主人公の少女の造形がいい。彼女の個性をさらに際どらせるように、旅の途中で問題を抱える若い女性を登場させたり、鹿島をサッカー王国に作ったジーコの逸話など、物語として読みどころが多い。

 もちろん、芥川賞の「選評」で山田詠美委員が「たくらみが過ぎてあざとく」見えることもあるだろうし、既視感のような感覚もないではない。
 それでも、この作品にはこれらのことを凌駕する強さを感じる。
 吉田修一委員は「非常に面白かった」とし、「コロナに対して極端に過敏でもなく、かといって露悪的に鈍感でもない、いわゆる平均的な人々がこの時期をどのように生きたかが、この小説にはあるように思う」と絶賛している。

 この物語のラストは、ここには書けないけれど、結構衝撃的だったが、旅の終わり方としてそれもアリかなと思った。
 誰か、この作品映画にしないかな。
  
(2021/03/06 投稿)

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