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プレゼント 書評こぼれ話

  先日の土曜の夕方、
  宮城県で大きな地震がありました。
  津波注意報が発令され、
  10年前の東日本大震災のことを思い出した人も
  多かったのではないでしょうか。
  たまたまその時
  私が読んでいたのが
  今日紹介する
  三浦英之さんの『災害特派員』。
  あの『南三陸日記』の著者によって書かれた
  10年前と向き合う一冊でした。
  この本の中で
  三浦英之さんはこう書いています。

    人を殺すのは「災害」ではない。
    いつだって「忘却」なのだ。

  私たちは地震のある国に住んでいることを
  忘れていけない。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  もう一つの『南三陸日記』                   

 2011年3月11日に起こった東日本大震災。その翌日には被災地に入った新聞記者は、それから程なくして宮城県南三陸町に赴任し「災害特派員」となった。
 そこで彼が見聞きした被災地の様子や被災者の人たちの姿をのちに一冊の本にまとめられていく。
 それが『南三陸日記』だ。書いたのは、朝日新聞の記者である三浦英之さん。

 あれから10年。
 被災地の人々にも10年という月日が流れたように、記者である三浦さんにも同じだけの月日が流れていった。
 それだけの時間を経た今だから書けること、あの時に「描ききれなかった、もう一つの『南三陸日記』」というきっかけはあったとしても、三浦さんにとっては「個人的な取材体験を綴った「手記」」であり、あの時現地の人たちと生活を共にした「回想録」でもある。
 だから、『南三陸日記』に象徴的に登場する震災直後に生まれて少女とその家族の話は本書にも登場するし、新米記者として初めて宮城県に赴任した三浦さんを励ましてくれた恩人で、津波で亡くなった消防士とのことなども描かれている。
 その一方で、「災害特派員」の勤務のあと三浦さんが米国留学で学んだ「ジャーナリズム」の話など刺激的なものもある。

 10年という月日は、あの直後に生まれた赤ちゃんを10歳に少女に成長させただけではない。
 三浦さんとともに被災地を駆けまわり取材し続けたライバル紙の記者はガンで亡くなった。
 あるいは、当時の環境とはまったく違うところにいる人もいる。
 それぞれが迎えた、震災からの10年。
 本書は三浦さんの「回想録」だけでなく、それぞれの人にとっての「回想録」でもある。
  
(2021/03/23 投稿)

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