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プレゼント 書評こぼれ話

  今日から
  東京・大阪・兵庫・京都で
  三度めとなる緊急事態宣言
  始まりました。
  せっかく気候のいい季節になりながら
  新型コロナウイルスとの戦いに
  自粛をしなければならないのは
  残念ですが、
  ワクチンの接種が終わるまで
  きっと何度もこういうことが続くのだと思います。
  せめて
  本の中だけでも
  季節を味わいたい。
  そこで
  今日は
  長田弘さん文、
  荒井良二さん絵の
  『水の絵本』を
  紹介します。
  ちょっとは気分が変わるかもしれませんよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  いのちの豊穣を抱えながら                   

 茨木のり子さんに「水の星」という詩があります。(詩集『倚りかからず』収載)
 その詩の一節に「いのちの豊穣を抱えながら/どこかさびしげな 水の星」とありますが、まさにその「いのちの豊穣」に呼応するように、この絵本で文章、それはまさに詩といってもいいですが、を綴った長田弘はこう書いています。
 「ははのように いのちを つくり/ちのように からだを めぐり/たましいを ぬぐってくれる」と。
 それは、水のことです。
 茨木のり子さんが「水一滴もこぼさずに廻る」と驚いたこの星は、水にあふれた星なのです。

 この絵本でまず驚くのは、荒井良二さんの絵だと思います。
 表紙の一面の黄緑色。普通水を絵で描けと言われたら、水色を使うのに、荒井さんはそうではない。
 黄緑色であっても、ああこれは水なのだと誰もが実感できる。
 長田さんの文にこうあります。
 「どんな いろお してないのに/どんな いろにでも なれるもの」。
 そういえば、水は決して水色でもない。
 透明であるけれども、いろんな色を持っている。
 そこにも、豊穣を感じます。

 宇宙に浮かぶ地球がこの絵本にも描かれています。
 茨木のり子さんが見た「水の星」は、ちょうどこの荒井さんが描いた星のようであったにちがいない。
 長田さんが思った水も、またそうであったにちがいない。
 色んなことを考えてしまう、そんな絵本です。
  
(2021/04/25 投稿)

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