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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  坪内祐三さんの
  『一九七二 「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」』は
  文化評論として
  位置づけられていて、
  2003年に書籍になっています。
  坪内祐三さんは
  1958年(昭和33年)生まれですから
  私の弟世代になるのですが、
  書評にも書いたように
  坪内祐三さんは
  早熟な少年だったようで
  その経験は年下ながら
  重なるところが多く
  この作品もずっと気になっていた
  一冊でした。
  今更ながらに
  早逝が惜しまれてなりません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  いそぎ足で人生を駆け抜けた人                   

 手元にある岩波ブックレットの『年表 昭和・平成史』で、この本のタイトルにもなっている「1972年」を開いてみると、「浅間山荘事件」(2月)、「ニクソン米大統領、中国訪問」(2月)、「沖縄県本土復帰」(5月)、「日本列島改造論」(6月)、「日中国交樹立」(9月)などが、太文字で記されている。
 もちろん、他には「札幌冬季オリンピック」(2月)や「田中角栄内閣成立」(7月)、「上野動物園のパンダ」(11月)など、懐かしい事柄が目に入る。
 2020年1月に61歳という若さで早逝した坪内祐三さん(ということは、坪内さんは1958年生まれであった)は、何故「1972年」を「はじまりのおわり」と位置づけ、「おわりのはじまり」と見たのだろうか。

 2000年の初めに雑誌「諸君!」で連載を始めた第一回めにこう書いている。
 「高度成長期の大きな文化変動は1964年に始まり、1968年をピークに、1972年に完了すると。」
 そして、自分(坪内さん)は「1972年以前に生まれた人となら、たぶん、歴史意識を共有出来る気がする」と。
 しかし、この年坪内さんはまだ14歳の中学生に過ぎないことを考えれば、いかに早熟な少年だったことだろう。
 しかも、坪内少年にはすでに渋谷の街の本屋や名画座に足を運ぶ、そんな子供であったから、そのあたりを差し引かないと、時代の共有はできないのではないだろうか。
  というか、そんな坪内少年だからこそ、彼の数年先に生まれた世代とも「歴史意識を共有」できたといえる。
そして、坪内少年は幼い頃から他の誰よりもいそぎ足で人生を駆け抜ける人だったのかもしれない。
  
(2021/05/06 投稿)

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