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プレゼント 書評こぼれ話

  ブックガイドのような本を読むと
  必ず何冊かは読んでみたいと思う
  本がでてきます。
  以前読んだ
  佐高信さんの『時代を撃つ ノンフィクション100』からも
  読んでみたいと思う本があって、
  今日紹介する
  石井妙子さんの
  『おそめ-伝説の銀座マダム』も
  そんな一冊でした。
  佐高信さんは
  この本の紹介で
  書評に書いた
  東映の名プロデューサー俊藤浩滋の逸話を書いていて
  その記載がなければ
  この本を読まなかったかもしれません。
  映画史の裏事情としても
  面白い一冊です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  かつて「空飛ぶマダム」といわれた女性がいた                   

 『女帝小池百合子』で第52回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した気鋭のノンフィクション作家石井妙子さんが2006年に発表した、デビュー作。
 副題に「伝説の銀座マダム」とあるように、この作品は京都と銀座に「おそめ」という名前のバーをつくり、昭和30年代前半この2つの店を飛行機で行き来し「空飛ぶマダム」と呼ばれることもあった上羽秀(うえばひで)という女性の生涯を描いた力作である。
 石井さんはこの作品に執筆に5年もの歳月を費やしたといい、取材の時点ではまだ秀さんは存命中でしばしば京都での住まいを訪ねたという。
 秀さんは大正12年生まれで、亡くなるのはこの作品が上梓されたあと2012年で89歳の生涯であった。

 もしこの作品が秀さんだけの評伝であれば、食指は動かなかったかもしれない。
 もう一人の人物の存在が、読んでみたいと思わせた。
 それが秀さんが生涯愛し続けた男、俊藤浩滋である。
 俊藤浩滋といえば、かつての東映ヤクザ映画を支えたプロデューサーとして有名で、当時の東映映画のほとんどにクレジットされている。
 そして、あの藤(現富司)純子の父親としても知られている人物だ。
 では、秀さんが藤純子の母親というと、そうではない。
 俊藤さんが秀さんに接近した時にはすでに妻子がいたが、それを隠して秀さんと結ばれることになる。
 さらには、ほとんどヒモのような生活を送りながらも、秀さんは俊藤さんと別れることはなかった。

 一人の女と一人の男。
 戦後まもない頃に出会った二人がどのように時代を切り開き、そして幕をおろしていったか、石井さんの労作の賜物のような評伝だ。
  
(2021/06/08 投稿)

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