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プレゼント 書評こぼれ話

  先日のNHK大河ドラマ「青天を衝く」
  天狗党の最後が描かれていましたが、
  今日紹介する
  吉村昭さんの『天狗争乱』を読むきっかけは
  もちろん大河ドラマの影響です。
  ドラマでは
  武田耕雲斎の最後まで慶喜を信じようとする姿が
  痛ましかったです。
  天狗党の最後のさまは
  司馬遼太郎さんの『街道をゆく』の
  「北国街道とその脇街道」にも記されています。
  興味ある方は
  そちらも読んでみると面白いですよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ドキュメンタリー映画を観ているような作品                   

 桜田門外の変から4年後の元治元年(1984年)、筑波山で挙兵した千余名の水戸尊攘派が引き起こした一連の騒動を「天狗党の乱」と呼んでいる。
 この千余名の中には水戸藩の尊王攘夷の思想の中心であった藤田東湖の息子小四郎や武田耕雲斎といった名の知れた藩士もいればまったく無名の農民や町民も多くいたという。
 彼らは水戸藩内での行き場を失くし、京にいる一橋慶喜を頼って苦難の旅程をたどることになる。
 雪の峠越えなどを経てついには頼る慶喜にも見放され、ついには幕府に屈することになる。
 そして、「天狗党の乱」が今でも幕末の日本史に黒い染みとなって名を残すことになったのは、囚われた敦賀の地で狭い鰊蔵に押し込まれ、多くの者たちが斬首された非道の処置による。
 「この非道な行為は。幕府が近々のうちに滅亡することを自らしめした」と薩摩の大久保利通が日記に記したと、この作品にも触れられている。

 1990年の『桜田門外ノ変』の刊行からまるで歴史の時間をたどるように、4年後の1994年に刊行された吉村昭のこの作品は大佛次郎賞を受賞するなど、その評価は高い。
 小説ではあるが、吉村の筆は古文書など記録を実に丁寧に拾いつつ、天狗勢(この作品では党ではなく勢となっている)の行程をたどっていて、それがまるでドキュメンタリーの映像を見ているような緊迫感を与えている。
 吉村はその終り近く、「慶喜は(中略)自分にとりすがってきた天狗勢を冷たく突きはなしたのだ」と、筆致は冷静だが、怒りを感じる一文を記している。
  
(2021/06/15 投稿)

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