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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は父の日

    父の日や常の朝餉を常のごと     山崎 ひさを

  この句のように
  父の日はなんだか気がつかずにそのまま
  過ぎてしまうことも多い、
  ちょっぴりさびしい記念日です。
  そこで、
  今日は長谷川義史さんの『てんごくのおとうちゃん』を
  再読書評で紹介します。
  2010年10月1日の記事で
  この絵本を取り上げています。
  その記事にはこの絵本を知ったきっかけも書いていて
  それはちひろ美術館での展覧会のことでした。
  絵本の中身よりも
  この絵本が展示されていた光景の方が
  記憶に残っています。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ちょっとグスンとする父と子のお話                   

 亡くなった父親に「はいけい、てんごくの おとうちゃん、げんきに してますか。」と手紙をつづるように描かれていく、絵本作家長谷川義史さんが2008年11月に発表した絵本の名作です。
 作品のよさもありますが、なんといっても長谷川ワールドが全開です。
 大阪弁で綴られている「てんごくのおとうちゃん」への手紙、昭和の雰囲気あふれた絵。
 長谷川さんは昭和36年、大阪に生まれていますから、ここには長谷川さんが見た昭和の思い出が詰まっています。

 胸にぐっと迫るのは、少年とおとうちゃんの微笑ましい思い出を描いたところではありません。
 おとうちゃんが亡くなった日、みんなが泣いている時、少年は「なんか わかれへんけど」庭に吐いてしまいます。
 少年にとって、大好きだったおとうちゃんの死であっても、何かとてつもなく恐ろしいものだったのです。
 人はそういう経験をしつつ、大人になっていく。
 ここはとても大切な場面です。

 さらに、みんなに「かわいそうに」と言われるたびに少年は自分よりおとうちゃんがかわいそうとちがうやろかと思います。
 少し視点を変えてみると、本当の世界が見えてきます。

 「はいけい、てんごくの おとうちゃん、ぼくは もうすぐ よねんせいに なります」、
 だから、心配しなくても大丈夫とおわる最後のページの絵は、おかあちゃんの肩を叩く少年でした。
  
(2021/06/20 投稿)

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