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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日紹介したのは
  佐久間文子さんの『ツボちゃんの話 夫・坪内祐三』は
  愛する夫亡くした妻が生前の夫の姿を描いた
  随筆でしたが、
  今日は父との別れを描いたエッセイを
  紹介します。
  益田ミリさんの『永遠のおでかけ』。
  2018年1月に出た本で、
  読みたいと思いながら
  機会を逸していた一冊です。
  私の父がなくなって
  もう来年には10年になります。
  有難いことに
  私は父の最後の時間と共に過ごすことができました。
  そんなことを思い出しつつ
  胸にジーンとさせて読み終わりました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  愛する人を亡くした時、そっと寄り添ってくれる一冊                   

 「すーちゃん」シリーズなどのコミックエッセイで人気の益田ミリさんが父親との死別した前後の日々を綴った書き下ろしエッセイ。
 ガンで余命6ヶ月と診断された父。東京で暮らすミリさんは父のいる大阪の実家との間を行ったり来たりしつつ、父と過ごした時間を思い出したりいていく。
 そして、父の子供時代の話を聞こうと思いつく。
 そんな風に過ごす時間の中で、ミリさんは「叶えてあげたいこと、叶えられないこと。この先、わたしたち家族はひとつひとつ答えを出しながら、父の死と対峙していくのだ」と綴っている。

 そして、迎えた父の死。
 余命宣告されていたとはいえ、それは突然だった。
 東京のミリさんに母から父の容態が良くないと連絡があった数時間後、父は亡くなる。
 東京から大阪に向かう新幹線の中のミリさんはこう思う。
 「今夜、わたしが帰るまで、生きて待っていてほしかった。(中略)それは、違うと感じた。これは父の死なのだ。父の人生だった。(中略)父個人のとても尊い時間なのだ。」
 その時、夕焼けが車窓に広がるが、父はこんなにきれいな夕焼けも見れないという、当たり前のことに気づく。
 「死とはそういうものなのだと」ミリさんは改めて思ったという。
 二十編のエッセイでできているこの作品の中でも、この箇所はやはり胸をうつ。

 父の死を描きながら、随所に笑いがはいるのは、関西人特有の癖みたいなものだ。
 だからといって、ミリさんがふざけているのではない。
 余計に悲しみを感じる。
 愛する人を亡くした時、そっと寄り添ってくれる一冊になるだろう。
  
(2021/07/16 投稿)

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