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  今日は
  東海林さだおさんの食のエッセイのアンソロジー
  『大衆食堂に行こう』を
  紹介します。
  大衆食堂といって思い出すのは
  私が学生の頃ですから
  もう40年以上前のことですが
  当時下宿をしていた
  新井薬師の駅前の通りに
  「ライオン食堂」という大衆食堂が
  ありました。
  店構えなど
  東海林さだおさんのエッセイに書かれている内容と
  ほぼ同じ。
  10年ほど前に行ってみましたが
  お店はなくなっていました。
  でも、あのお店、
  どうして「ライオン」って名乗っていたのかな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  そうだ、大衆食堂、行こう                   

 漫画家東海林さだおさんといえば、食のエッセイの第一人者としても有名だ。
 その代表作である「丸かじり」シリーズ(雑誌掲載時には「あれも食いたいこれも食いたい」というタイトル)だけでなく、こちらも「オール讀物」で長期連載中の「男の分別学」でも食に関する話題が多くある。
 だから、食であればどういう切り口であれ、愉快で楽しいアンソロジーが組めてしまう。
 この文庫は、「大衆食堂」という視点でまとめたもの。
 さすがに「大衆食堂」というだけあって、定食、麺類、カレーライス、かつ丼なんでもありの、満腹メニューになっている。

 東海林さだお学説(?)によれば、大衆食堂の最大の特徴は、「店頭の看板に、大きく、堂々と、悪びれずに「大衆食堂」と大書」していることだという。
 さらには定食だけでなく、メニューが豊富な点もあげていい。
 あるいは、店舗の内装。テーブルはデコラ、ないしはビニールクロス。イスは鉄パイプビニール張り。しかも、色はグリーンか紺。もうこれだけで、頭に浮かぶ、愛すべき「大衆食堂」。
 働く人にも条件がある。
 まず、主人。無愛想。多少の偏屈。服装はTシャツに前掛け。
 できれば、出てくる水はプラスチックのコップでお願いしたい。
 こういう「大衆食堂」だから、笑いあり涙ありボヤキあり感謝ありの世界が生まれる。

 でも、さすがにこういう食堂は今や絶滅種になってしまっている。
 そのうち東海林さだおさんは、食の考古学者になってしまうかも。
  
(2021/10/14 投稿)

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