
11月1日から始まる
NHK朝の連続テレビ小説(通称 朝ドラ)は
第105作めとなる「カムカムエヴリバディ」で
ラジオ英語講座と共に生きた家族の物語だそうです。
ヒロインには上白石萌音さん。
ドラマとしてはオリジナルですが
タイトルでもわかるように
戦後まもなく多くの人に愛されたラジオ番組が
モデルになっているようです。
そこで
今日は平川洌さんの
『カムカムエヴリバディ 平川唯一と「ラジオ英会話」の時代』を
紹介します。
ドラマにも平川唯一さんは登場するようです。
演じるのが、さだまさしさんだとか。
これも楽しみです。
じゃあ、読もう。

昭和20年8月15日の敗戦からちょうど一か月に出た一冊の本から、戦後のベストセラー史が始まる。
それが『日米会話手帖』。わずか32ページの小冊子であった。
それが飛ぶように売れ、360万部を超えたという。
そのことを見ても、日本人の変わり身の早さというか適応力のすさまじさに恐れ入る。
それから遅れること半年弱の昭和21年2月1日、ラジオで新しい番組が始まる。
それがのちに「カムカム英語」と呼ばれ、今に続く「ラジオ英会話」の嚆矢となった「英語会話」だった。
講師をつとめたのが、この本の主人公平川唯一(ちなみにこの本の著者平川洌(きよし)は唯一氏の次男)である。
平川唯一氏は英語の教師だったわけではない。
本書の後半に唯一氏の半生が綴られているが、先にアメリカで仕事をしていた父親を迎えに行くという目的で渡米したのが16歳の時。戦前のことである。
そこで彼は苦学生となって、勉学にも励み、ワシントン大学の演劇科で学んでいる。
戦争が泥沼化する前に帰国し、NHKに入社する。
戦争が終われば、唯一氏の本場仕込みの英会話が役に立ち、「カムカムおじさん」とまでのちに呼ばれるようになっていく。
現在団塊の世代と呼ばれる人たちが生まれたのが、放送が始まったあとあたりだから、この番組を実際聴いた人というのも少なくなったことだろう。
しかし、敗戦後わずか半年で英語を学ぼうとラジオの前で熱心に勉強した人たちがいたのも事実だ。
そういう人たちがいたからこそ、そのあとに続く復興やさらなる成長があったのだろう。
貴重な歴史の1ページといえる。
(2021/10/20 投稿)

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