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プレゼント 書評こぼれ話

  読書週間が始まったので
  今日は本の写真がきれいな一冊を
  紹介します。
  『開高健の本棚』です。
  表紙の写真は
  茅ヶ崎の開高健邸の書斎の机に並ぶ本で
  最晩年の開高健が使っていたままだそうです。
  今ここは
  開高健記念館として
  見学もできます。
  ここに行ったのは随分前になりますが
  海岸も近く
  ここで開高健が執筆に苦しんだり
  アマゾンの釣り紀行の計画を練ったりしたのかと
  開高健ファンにとっては
  聖地のような場所といえます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  眼を見開け、耳を立てろ、と開高健は云った                   

 「本棚を見ればその人がわかる」と、昔をよく言われたものです。
 最近は電子書籍も流通して、本棚に本が並ぶということも少なくなっているかもしれません。
 まして、本を読まない人が多くなってきていることを考えれば、本棚というものも持っていない(当然そこに並ぶ本もない)ということも考えられます。
 その点、開高健は子供の頃にすでに「古本屋のオジさん」になりたかったというくらいですから、戦時期でありながら「読んで読んで読みつづけた」という。
 さらにその頃の友人に本の収集に没頭したものがいて、彼の住処に忍び込んでは風呂敷いっぱいに本を詰め込んで、紙魚(しみ)のように読んでいたと、本人が書いている。

 では、開高の本棚にはどれだけの本が残されたかというと、これが生前の半分にも満たないという。(開高健が亡くなったのは1989年12月で、まだ58歳という若さだった)
 なぜかといえば、彼が本を収集することに執着しなかったからで、読む前には箱であったり帯といったものを取り除き、読み終われば若い人にあげたり、古本屋に売ったそうだ。
 それでも、この本の美しい写真で紹介されている開高健の蔵書となれば、一体どんな本が本棚に並んでいたのかと、眼を凝らしてしまう。
 それにしても、本の写真というのはどうしてこんなにも美しいのだろう。

 そんな写真に挟まるように、開高が残した本についてのエッセイの類が数編。
 どちらが栞かわからないが、開高健曰く「読め」ということになる。
  
(2021/10/28 投稿)

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