12/17/2021 俳句いまむかし ふたたび(坪内 稔典):書評「美しい日本語ふたたび」

今日も
昨日に続いて俳句の本の
紹介です。
坪内稔典さんの
『俳句いまむかし ふたたび』。
坪内稔典さんは1944年生まれで
本書の中でも「後期高齢者」となったと
書かれています。
午前3時には目を覚ますともあって
もしかしたこの本は
シニアの人向けの
生活術としても読めるのではと
思えたりもして。
いろんな読み方ができるのも
本を読む楽しみのひとつです。
じゃあ、読もう。

毎日新聞に連載されている「季語刻々」から400回分を選んで編まれたこの本は、タイトルでもわかるように2020年8月に出た『俳句いまむかし』の続編である。
わずか1年で続編が編まれるのは、新聞連載が2010年からあってすでにかなりの記事の蓄積があるからだろう。
もっともこの本の中には「マスク」という冬の季語に、コロナについての記述もあったりする。
ネンテンさん曰く、「マスクは冬の季語だったが、コロナの日々の今年、マスクは季節を問わない日常品になっている」という風に。
続編となったこの本でも先の本の編集、「一つの季語について、今と昔の句を挙げ、感想を書くというスタイル」を踏襲している。
ネンテンさんは本書の「まえがき」で「季語は俳句を詠むことで、その都度に新しく作られている」と書いているし、短い感想の中でも、「チーズフォンデュやもつ鍋を季語にしたい」と書いていたりする。
ちなみにそう書いた回は会津八一の「闇汁の納豆にまじる柘榴かな」を引用し、「闇汁は正岡子規や高浜虚子が詠んでできた季語」と説明している。
「いま」と「むかし」の俳句を比べると、「いま」の俳句にカタカナ文字が多いことに気づく。くぼえみさんの「ユニクロの若草色へ日脚伸ぶ」という句には一瞬ハッとさせられた。おそらく私たちの日常は思った以上にカタカナであふれているだろう。
そんなことも気づかさせられる一冊である。
(2021/12/17 投稿)

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