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プレゼント 書評こぼれ話

  5月15日に
  沖縄は本土復帰50年を迎えます。
  今放映中の
  NHK朝の連続テレビ小説「ちむどんどん」は
  今まさに復帰前の沖縄が描かれています。
  ドラマの主人公たちが使っているお金は
  ドル。
  そんな時代から50年経ちました。
  今日は
  沖縄で初めての芥川賞受賞作となった
  大城立裕(おおしろ たつひろ)さんの
  『カクテル・パーティ』を紹介します。
  この作品が書かれた頃は
  まだ沖縄は占領下でした。
  芥川賞はある意味
  時代の目撃者でもあったといえます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  沖縄初の芥川賞受賞作                   

 第57回芥川賞受賞作。(1967年)
 作者の大城立裕(おおしろ たつひろ)は、芥川賞の「受賞のことば」という短文で、ある大先輩から「ぼくらの明治以来の夢をかなえてくれた」と握手を求められ、会う人ごとに「沖縄のひとみんなの誇りだよ」と言われたと書いている。
 この頃まだ占領下にあった沖縄(沖縄返還が実現したのは1972年)で、沖縄初の芥川賞ということで、島全体が沸いたことでしょう。
 沖縄が置かれていた政治的社会的な問題下で、当時の選考委員の選評もややとまどいが見える。
 「現実の問題と、作品の価値とは全く別のもの」(永井龍男)、「沖縄に同情して選んだのでもない」(川端康成)、そして中でも舟橋聖一の一文がもっともわかりやすい。
 「あくまでも作品本位で選んだことは、私も証明しておきたい。が、いかに弁明したところで「芥川賞海を渡る」底の、一般の通俗的印象は、避け難い」
 以上、文学史的な覚書として書いておいた。

 物語は前章、後章という二部構成になっている。
 前章では占領下の沖縄の米軍基地のカクテル・パーティに集まった、沖縄人(主人公)、日本人、中国人、アメリカ人の何気ない、しかしそこに過去と現在の痛みを隠した、大人の会話がはずむ。
 後章では一転して主人公の沖縄人の娘がアメリカ兵に強姦された事件で、四人のそれぞれの立場が露呈していく。
 中国で日本兵が犯した罪、沖縄でアメリカ兵が犯した罪、それらが二重構造になっている。
 ラスト、占領下の司法制度の中で不利な戦いとわかっていながら、告訴を決めた主人公。
 そのまなじりの強さは、大城さんは終生持ち続けることになる。(大城さんは2020年10月逝去)
  
(2022/05/13 投稿)

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