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 2022年9月に発売された池井戸潤さんの『ハヤブサ消防団』が、
 本屋さんの平台にドーンと積まれ、たちまちベストセラー入りしたのは、
 池井戸潤さんの人気の高さといえるだろう。
 しかもこの作品が池井戸さんの名前を一躍有名にした「半沢直樹」シリーズ
 直木賞を受賞した『下町ロケット』といった、
 ビジネス小説とは趣きが違うミステリー小説だから、
 池井戸さんの作品ということで手にした読者は驚いたかもしれない。
 だが、そもそも池井戸ファンであれば
 新作がどのようなものであるかしっかりわかった上での
 読書体験だったにちがいない。

   

 ミステリ作家の三馬太郎が父の死後、父の住んでいた中部地方の山々に囲まれた「ハヤブサ」という、
 のどかな山村に越してくるところから、物語は始まる。
 村のことだから、近所付き合いも何かとあって、太郎はさっそく地区の消防団に入団させられる。
 はいってみて初めて太郎はこの「ハヤブサ」地区で、
 連続して不審火による火災が発生していることを知る。
 しかも、入団してすぐに新たな火災、それに続く殺人事件と、
 「ハヤブサ」はのどかな山村どころか、危険極まる怪しい土地だった。
 真相をさぐる太郎は、ある新興宗教団体の存在に気がつく。
 太郎と同じように「ハヤブサ」に移住してきた美貌の映像クリエーター彩とともに
 事件の核心へと迫っていくが、実はその彩もまた…。

 2022年といえば元総理の射殺事件を発端に、
 宗教団体の存在が政権を揺るがすほどの事態となったが、
 池井戸さんの作品は2021年から2022年の春にかけて小説誌に発表されたものだから、
 現実の宗教団体による諸々の疑惑を意識したものではない。
 それでも、今読めば、現実とシンクロしてくるのは、
 作家の感度の良さに感心する他ない。
 そのあたりもまた、池井戸潤さんの作家としての魅力だろう。

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