12/09/2022 寂光院残照(永井 路子) - 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の最終回までに読みたい

残すところあとわずかとなった。
早くも主人公である北条義時がどのような最期を迎えるか
SNS上では議論百出しているようだが、
もしかしたらそのヒントが
永井路子さんの『寂光院残照』という短編集に収められた
「ばくちとしてこそ歩くなれ」という作品に書かれている。
この短編は承久の乱に関わった尊長という僧が主人公になっていて
乱のあと捕らわれた尊長が義時殺害の内実を語るところで終わる。
調べると、この逸話は『明月記』にあるという。

平家滅亡の折り命を救われ、京都の寂光院で日々を送る建礼門院のもとを
後白河法皇が訪ねるという『平家物語』にある逸話から
短編に仕上げたもの。
このように鎌倉時代を描くには、その他にも『吾妻鏡』など
欠かせない古典があるが、
それらをどう料理し、現代の読者へ感銘をもたらすかは
作家次第といえる。

短編ながら実に巧みに仕上げている。
先の2篇以外にも
実朝暗殺の場面を描いた「右京局小夜がたり」、
義経追討に名をあげた男の「土佐房昌俊」、
頼朝の死の謎にせまる「頼朝の死」、
ほか「后ふたたび」の、
全6つの名短編が収められていて、
どれも読みごたえ十分だ。

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