01/25/2023 財布は踊る(原田 ひ香) - 長財布は金運を呼ぶか

財布がずらりと並んでいる光景をよく見る。
あれは、「お正月に財布を買うと金運があがる」と巷間言われているからで、
もしかして、年のはじめにこの本を読めば金運があがるのではと、
期待しないわけでもない。
何しろ書いたのが『三千円の使いかた』で大ブレークし、
今やマネー小説で人気沸騰の原田ひ香さんだし、
テーマが財布というのだから、
本当にご利益あるかもしれない。

「小説新潮」に発表した長編小説。
長編小説といっても、ひとつの財布が点々と人の手にわたっていく物語になっていて
6つの話で構成されている主人公はちがう。
最初の話では、念願だったルイ・ヴィトンの長財布を手にした女性が主人公。
しかし、せっかく手にしたヴィトンだが、夫の金銭感覚のなさからくる借金に
使いことなく手放すことに。
このルイ・ヴィトンの長財布が物語を動かしていく。
第二話では、この財布をメルカリで手にした男の生活が描かれている。
男もこのヴィトンを騙されて盗まれてしまう。
第三話で、盗んだ男が何故犯罪に手を染めたことになったかといったように、
物語が続いていく。
物語が続いている間に、第一話で夫の借金に悩まされた女性が巧みな金銭感覚で
いつしかりっぱな大家業になっていたりする。

それでは一体何が幸せであったのか、主人公の女性は結局
ブランドものの長財布にこだわらない自分に気づくことになる。
これは登場する多くの人たちの、成長物語だ。

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