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 百貨店の初売りに行くと、
 財布がずらりと並んでいる光景をよく見る。
 あれは、「お正月に財布を買うと金運があがる」と巷間言われているからで、
 もしかして、年のはじめにこの本を読めば金運があがるのではと、
 期待しないわけでもない。
 何しろ書いたのが『三千円の使いかた』で大ブレークし、
 今やマネー小説で人気沸騰の原田ひ香さんだし、
 テーマが財布というのだから、
 本当にご利益あるかもしれない。

  
  
 『財布は踊る』は、原田ひ香さんが2020年から21年にかけて
 「小説新潮」に発表した長編小説。
 長編小説といっても、ひとつの財布が点々と人の手にわたっていく物語になっていて
 6つの話で構成されている主人公はちがう。
 最初の話では、念願だったルイ・ヴィトンの長財布を手にした女性が主人公。
 しかし、せっかく手にしたヴィトンだが、夫の金銭感覚のなさからくる借金に
 使いことなく手放すことに。
 このルイ・ヴィトンの長財布が物語を動かしていく。
 第二話では、この財布をメルカリで手にした男の生活が描かれている。
 男もこのヴィトンを騙されて盗まれてしまう。
 第三話で、盗んだ男が何故犯罪に手を染めたことになったかといったように、
 物語が続いていく。
 物語が続いている間に、第一話で夫の借金に悩まされた女性が巧みな金銭感覚で
 いつしかりっぱな大家業になっていたりする。

 出てくる人それぞれお金の苦労をしながら、
 それでは一体何が幸せであったのか、主人公の女性は結局
 ブランドものの長財布にこだわらない自分に気づくことになる。
 これは登場する多くの人たちの、成長物語だ。

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