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 埼玉在住のJPIC読書アドバイザーのメンバーが主になって
 毎月1回開催されている読書会に参加して
 6年が過ぎました。
 毎回7、8人のメンバーが集まって、2~3時間本を紹介する読書会。
 コロナ禍にあっても
 なんとかオンラインで欠かさず続けることができました。
 参加していつも感じることは、
 本の世界の広いこと。
 だって、メンバーが紹介する半分以上が
 読んだことのない本だったりするのですから。
 今日紹介する川端康成の『雪国』は
 もちろん誰もが知っている日本を代表する名作ながら、
 あれ? もしかしたら読んでない? かも。
 いやいや、ヒロイン駒子の名も葉子という少女の名も
 ラストの火事の場面も知っているのに、
 そんな、読んでないことってある?
 今月の読書会でメンバーが紹介してくれて、
 読んでみた一冊です。

  

 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
 あまりにも有名な書き出し。
 しかし、もしかしたら、この書き出しが有名すぎて、
 読んだ気分になっていないだろうか。
 ノーベル賞作家川端康成の傑作にして、代表作である『雪国』は
 しかし、そんなに簡単な作品でない。
 わからないのが、登場人物たちの関係性。
 雪国の芸者駒子と出会う主人公である島村という男。
 無為徒食の生活を送りながら、妻や子もある様子。
 夢中になった駒子ながら、
 一年に一度会う程度の逢瀬で、それほど夢中になることがあろうか。
 一方の駒子も幼馴染の男の病気療養のために芸者になったとか、
 別の男と結婚しそうになったといいつつ、
 島村という男に惹かれている。
 さらに、物語の終盤、俄然妖しげな存在感を強める葉子にいたっては
 物語になじんでいない。

 この作品はそんな関係性で読むのではなく、
 車窓の映る表情であったり、天に広がる天の河であったり、
 そういう人間を取り込む美を読むのだろうか。

 今回最後まで読んで、
 ほとんどその内容を思い出すことがなかったということは
 もしかしたら、私はこの日本の名作を
 初めて読んだのだろうか。
 まるで、作品のように夢うつつだ。

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