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 本の世界にはまちがいなく「闘病記」というジャンルがあり、
 さまざまな病気に罹患した人たちの記録が出版されている。
 もしかしたら直木賞作家の西加奈子さんの『くもをさがす』も
 そんな「闘病記」のジャンルにいれられるのかもしれないが、
 これは「闘病記」ではない。
 本文にこんな文章が出てくる。
 「私は闘病、という言葉を使うのをやめていた。(中略)
 これはあくまでも治療だ。闘いではない。たまたま生まれて、
 生きようとしているがんが、私の右腕にある。
 それが事実で、それだけだ。

  

 といえ、それほど言葉も堪能ではないカナダで
 乳がんを宣告され、抗がん剤治療さらには両乳房摘出手術を行うことになった彼女に
 不安がなかったわけではない。
 さらには抗がん治療の最中にコロナにも感染し、
 どうして自分なんだろうと思わないわけでもなかった。
 がんが見つかってからつけはじめた日記に「もう許してください」と書いたのも
 この頃のことだ。
 それでも、彼女は「コロナそれ自体に責任はない」と綴る。

 そんな彼女だから、がん宣告からの日々を綴った文章は
 まるでわきいでる清水のようにきらめいている。
 強いのだ、生きているのだ。
 そして、それは西加奈子さんだけでなく、誰もがそうなのだ。
 だから、これは最後に彼女が
 「あなたに、これを読んでほしいと思った。」と書いているように、
 あなた(読者)や私に手渡された手紙なのだ。

 「私は、私だ。私は女性で、そして最高だ。
 そんな強い言葉を書く彼女からの
 やさしい手紙なのだ。
 返信はあなた(読者)の心が書くだろう。

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