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 吉村昭さんは昭和2年(1927年)東京の日暮里で生まれた。
 亡くなったのは平成18年(2006年)で、享年79歳だった。
 吉村さんのエッセイによく「刑事」や「工事関係者」に間違われる話が出てくるし、
 この『わたしの流儀』というエッセイ集でも
 「人相」という作品で「こわい顔の人がくるよお」と小さい男の子に
 怖がられたという笑い話のような記述があったりする。
 私はそんなエッセイから
 吉村さんが漫画「サザエさん」に登場する波平さんに似ているように思えてしかたない。
 あるいは、向田邦子さんの父にも似ている。
 吉村昭さんは昭和の男であり、昭和の夫であり、昭和の父なのだ。

  

 「酒の戒律」という面白い話が載っている。
 好きな酒を飲むのを夜の9時以降と自身で戒律を定めたという話だ。
 ある時、妻(津村節子さん)の友人と夕食になった時も、
 がんこにこの戒律を守ったという。
 その時の津村さんの言葉がいい。
 「犬みたいでしょう。おあずけと自ら命じて、それをあくまで守っているのよ」
 昭和の男は、ある時には犬のようでもあった。

 また別の話。(「母と子の絆」)
 その話の中に「子供がしっかりしているのは母親が立派だからだ、というのが私の持論」と出てくる。
 令和の時代にそんなことを書いたら、父親は何をしているのと
 叱責されそうだが、
 夫の役目を「妻が育児に専念する環境をうみ出すよう努めるべき」と
 吉村さんは言い切る。
 昭和の男は令和の時代に通用しそうもないことを
 なんとも堂々と、かわいくいう。

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