09/19/2023 これはわたしの物語(田尻 久子) - これも読みたい、あれも読みたい

熊本で「橙書店 オレンジ」という本屋の店主である。
その一方で、すでに『みぎわに立って』『橙書店にて』など
数冊の著作ももつ文筆家でもある。

本のことを綴った数編のエッセイで出来ている。
そのエッセイの中のひとつ、「本をすすめる」で
「私が書いている文章を「書評」だと言ってしまえばおこがましいし、
書評家や研究者の方々に失礼な気がする。」と書いているが、
なんのなんの、田尻さんの文章は
とても丁寧で、その本への目線がやさしい。
いってみれば、おいしい珈琲を頂いたような文章である。
香りが深く、味わいが濃い。

意外に海外文学(田尻さんは「翻訳文学」と書く)が多いことに気がつく。
これもエッセイの中のひとつ、「国境を越える蝶」の中で
「私は自身を持って翻訳小説をおすすめする。
翻訳物には「当たり」が多いと思っている。他国で刊行されている時点で、
その本にはすでに多くの読者がいるはずだから。」と書いている。
そして、翻訳者への感謝の言葉が続く。

「文章はつたなくとも、すすめた本を読んでほしいという気持ちは確か」と。
そして、「ここに登場する本を一冊でも読みたくなってくださいますように。」と。
きっと、そんな本がこの本から見つかりますよ。

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