04/24/2010 カワセミ―青い鳥見つけた (嶋田 忠):書評

書評のなかにも書きましたが、
今回紹介した嶋田忠さんの『カワセミ―青い鳥見つけた』は
第15回絵本賞の大賞を受賞しています。
この賞は、全国学校図書館協会と毎日新聞が主催で
「絵本芸術の普及、絵本読書の振興、絵本出版の発展に寄与する」
ことを目的に1995年に創設されたそうです。
どうしても絵本というと
子ども向けの絵と文というイメージがありますが、
この『カワセミ―青い鳥見つけた』は
そんなイメージとはまったく違います。
大人でも十分楽しめます。
というか、自分のしてきたこと含め、
考えさせられます。
私には、嶋田忠さんの「カワセミ」のように
夢中になるものがあったかどうか。
まさに大人にも十分読み応えのある
一冊だと思います。
じゃあ、読もう。
![]() | カワセミ―青い鳥見つけた (日本の野鳥) (2008/11) 嶋田 忠 商品詳細を見る |


先月の終わりに発表された第15回日本絵本賞。その大賞に選ばれたのが、本書『カワセミ 青い鳥みつけた』です。
著者の嶋田忠さんはベテランの写真家で、この本は絵本というより、写真集という方が適切かもしれません。でも、コバルトブルーに輝くカワセミの写真につけられた嶋田さんの文章がとてもいいんです。子どもたちが川から突き出た石の上ですましているカワセミや川に勢いよくダイブしている写真に夢中になっているそばで、声にだして読んでみてください。
それは単にカワセミの習性をつづったものではなく、嶋田さんがどうしてカワセミに夢中になっていったのか、カワセミの写真を撮るのにどれほど苦労したか、そしてどんな工夫で水中のカワセミの様子を写真におさめることができたのかが、平易な文章でつづられています。
水中カメラが濡れないような専用ケースがあるのですが、嶋田さんは正直に「でも、高くて買えません」と書いています。嘘をつかない文章が子どもたちを夢中にさせます。
この本を読み終わった子どもたちは、カワセミを見たいと思うでしょう。しかし、子どもたちの夢はカワセミだけではないはずです。プロ野球選手、漫画家、宇宙飛行士、写真家、会社員、いっぱいいっぱい。
その夢を実現させるために、あきらめないこと、がんばること、工夫すること、そんなことに気づくのではないでしょうか。
なにしろ、「青い鳥」は幸福のシンボルなのですから。
(2010/04/24 投稿)

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