FC2ブログ

本 いよいよアメリカの第44代大統領オバマ氏の就任式が近づいてきました。
 アメリカだけでなく、全世界が彼の「チェンジ」に大きな期待を寄せています。

 そんな中、最近TVのドキュメンタリー番組で、「I have a dream」(私には夢がある)
 で有名な黒人指導者キング牧師が、暗殺される前日(1968.4.4)に行った演説の
 映像を見ることができました。
 その演説が、とても素晴らしい。
 こういう内容です。

    …前途に困難な日々が待っています。 でも、もうどうでもよいのです。
    私は山の頂上に登ってきたのだから。

    皆さんと同じように、私も長生きがしたい。
    長生きをするのも悪くないが、今の私にはどうでもいいのです。
    神の意志を実現したいだけです。 神は私が山に登るのを許され、
    私は頂上から約束の地を見たのです。

    私は皆さんと一緒に行けないかもしれないが、 ひとつの民として
    私たちはきっと約束の地に到達するでしょう。

    今夜、私は幸せです。心配も恐れも何もない。
    神の再臨の栄光をこの目でみたのですから。

 キング牧師はこの時、40年後のアメリカにおいて、黒人の大統領が誕生する
 ことが、「約束の地に到達する」ことが、見えていたのでしょうか。

本 この演説の中で、私がもっとも気になった箇所は、実は他にあります。
 それは「私は皆さんと一緒に行けないかもしれない」という、
 まるで死を予感させるようなところです。
 でも、こういう文章を以前どこかで読んだことがある。

 そして、思い出しました。

本 それは司馬遼太郎さんの『二十一世紀に生きる君たちへ』という短文に
 書かれていたこんな文章です。

    私の人生は、すでに持ち時間が少ない。例えば、二十一世紀というもの
    を見ることができないにちがいない。
    (中略)
    ・・・ただ残念にも、その「未来」という町角には、私はもういない。

 この文章は司馬さんがなくなる七年前(1989年)に、子供たち向けに書かれた
 ものですが、残念ながら、司馬さんは本当に二十一世紀を見ることなく、
 亡くなりました。(1996年)

 キング牧師司馬遼太郎さん

本 生まれた場所も境遇も全く違う二人ですが、
 よく似た思いを未来の私たちに託してくれています。
 二人につながっている思いは、次なる明日の子供たちへの深い愛であり、
 伝えきったものだけがもつ、澄んだ心です。

 そんなことを、キング牧師の演説を見て、
 そして、オバマ大統領の就任式を前にして、
 思いました。

二十一世紀に生きる君たちへ (併載:洪庵のたいまつ)二十一世紀に生きる君たちへ (併載:洪庵のたいまつ)
(2001/02/12)
司馬 遼太郎 (しば りょうたろう)

商品詳細を見る



Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/57-06167ba9