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 「犬が人を噛んでもニュースにはならないが、
 人が犬を噛んだらニュースになる」とよく言われる。
 そこからすれば、親族間の殺人事件がニュースになるのは、
 普通親族間の間には愛情という絆があって、そこには殺人などが入る余地はないと
 多くの人が考えるからかもしれない。
 しかし、ノンフィクション作家の石井光太さんが2021年に刊行した
 この『近親殺人』によれば、
 日本の殺人事件の半数が家族を主とした親族間で起こっているという。
 その傾向は変わらず、最近も幼い子供を殺した夫婦や両親を殺害した15歳の少年など
 「近親殺人」は止まらない。

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 だが、私たちは起こってしまった事実はわかるが、
 その背景をどこまで知り得ているだろうか。
 この作品で石井さんが追跡した7つの殺人事件、
 「まじ消えてほしいわ」と母親を「介護放棄」によって死に至らしめた事件、
 「ひきこもり」の息子を殺した父親、
 貧しくて老いた母とともに心中しようとして自分だけ生き残った男、
 精神疾患を患った姉から追い詰められてついにはその姉を殺害してしまう妹たち、
 老老介護の果てに夫を手にかけてしまう老いた妻、
 幼い息子を虐待し窓から転落死させる母、
 そして、派手な生活が止まらず幼い子供を殺してしまう女。

 どれもが悲惨であるし、どれもが殺された側にも殺した側にも病巣があったように見える。
 当然殺人事件として殺した側は裁かれるのだが、
 本当に彼らだけに罪があったといえるのだろうか。
 「人が犬を噛む」、もしかしたらそんなことも不思議なことではないかもしれない。

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