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 「私は英雄ではなく、市井の人々が生き生きと立ち上がる創作を志す者です。
 これは『つまをめとらば』で第154回直木賞を受賞(2016年)した青山文平さんが
 『父がしたこと』(2023年12月刊行)出版に際してなされたインタビューで
 語った一文です。
 この長編小説は「医療時代小説」と称されていることもあるようで、
 確かに全身麻酔で日本で最初の乳がん手術を成功させた華岡青洲の高い技術を受け継いだ
 地方の名医が施す麻酔治療を描いてはいますが、
 医療という世界だけではなく、
 藩主とそれに使えるもの、父と子、母と嫁といった
 人間が生きていくなかで生まれていく関係を描いた作品といえます。

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 主人公である目付永井重彰の父は長年藩主に仕える小納戸頭取の職にある。
 痔ろうの病の重い藩主は、名医の呼び声高い高坂に麻酔を用いた施術を行うことになる。
 立ち合いは重彰とその父。
 重彰の息子は肛門がない鎖肛として生まれ、
 高坂は施術で見事に肛門を作り出してくれた恩人の医師でもあった。
 藩主への施術も成功し安堵する重彰に高坂の不慮の死が伝えられる。
 物語はその後、急転していく。
 『父がしたこと』という、なんともそっけないタイトルだが、
 読み終わったあと、このタイトルが持つ重みを感じることになるだろう。

 「父」がなしたことを、「男」がなしたことと言いかえた時、
 あなたならどう感じるだろう。
 それこそ、主人公の重彰の心でもある。

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