08/02/2010 酒と賢治と(男と女)-「さいたまブッククラブ」7月例会に行ってきました

今年の七月は暑かったですね。
その最後の日、先週の土曜日(7.31)ですが、
いつもの「さいたまブッククラブ」に行ってきました。
なんと今回は17人の参加ということで、
「さいたまブッククラブ」も暑かった、
おっと、熱かった、ですね。

こちらも小説ありのエッセイありの物理学の本ありの、
エコも山崎豊子もありで、
重ねた本は暑かった、いやいや熱かった、
ちがうな。厚かった。
今回私のおすすめは『百年読書会』。
ちょうど、今回、「さいたまブッククラブ」の
初めての試みである課題本、
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』も載っているので
紹介しました。
今回気になった本といえば、
上野千鶴子さんの『ひとりの午後に』。
紹介いただいたのは初参加のTさん(♀)。
この本を媒介にして、男と女のどちらに生命力があるかどうか、という
深遠な? 議論をもう少ししたかったところです。

紹介本だけで3時間になろうとしていて、
せっかくの宮沢賢治がきわどくなってきました。
『銀河鉄道の夜』、発車ベルがなります。
同じ本を読んで、いったいメンバーからどんな感想がでるのか
興味深々。
さあ、どなたからでも。

いきなりの先頭打者ホームランでしたね。
私的には、美しいうつくしいお話だったとずっと思っていましたから、
「ほほう」どころか、「ガーン」の世界でした。
実は『百年読書会』のなかでもそんな意見がでていて、
けっしてYさんがまちがっているわけではありません。
メンバーのなかには、この物語を読むのに難儀した方も
たくさんいます。
案外、宮沢賢治はそういう面ももっているのかもしれませんね。
しっかり読めば読むほど、深くなっていく。
それが宮沢賢治の魅力でもあるでしょうし、
宮沢賢治の難しさでもあります。

たしかにこの作品にはいくつかの異稿が存在します。
たくさんでている文庫本にも、表現の仕方がいろいろあります。
今回の課題本でたくさんの本を比較してくれたM嬢(♀)の指摘は
そのとおり。
S青年(♂)がもってきてくれたちくま文庫の全集版では
そのあたりの解説が詳しく載っています。
その話をきいて思うのですが、
『銀河鉄道の夜』はそういう点で純粋に読めないとしたら
なんと不幸な作品なんでしょう。
宮沢賢治という大きな宇宙的な作者によって書かれたことで、
まるでいくつも検査されているような感じがします。
本当なら、そっとしてあげないといけないのかもしれません。
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たくさんの人と読む。
肯定、否定、判断保留、それはさまざま。
読書会のひとつの魅力だと思います。
あるいは、
「さいたまブッククラブ」のように
互いに好きな本のことを語り合う。
これもまた、
読書会の魅力でしょう。
どちらがいいとかということではないのだと思います。

読書の達人松岡正剛さんがこんなことを言っていました。
共に本を語るだけで、会話の「層」、つまり厚みが
違ってきます。これを「共読社会」とか「ブックウェア」と
いいます。
そういう新しい社会がちいさなブッククラブから
育っていけばいいですね。

今回は会終了後、メンバーで暑気払いという
日本的便利的納得感ありの、飲み会で
最後まで盛り上がりました。
さいたまの夜は遅くまで
熱かった!

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