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 梅雨が終わった途端に、この暑さ。
 今年の七月は暑かったですね。
 その最後の日、先週の土曜日(7.31)ですが、
 いつもの「さいたまブッククラブ」に行ってきました。
 なんと今回は17人の参加ということで、
 「さいたまブッククラブ」も暑かった、
 おっと、熱かった、ですね。

 まずは順番に各自がお薦めの本の紹介。
 こちらも小説ありのエッセイありの物理学の本ありの、
 エコも山崎豊子もありで、
 重ねた本は暑かった、いやいや熱かった、
 ちがうな。厚かった。
 今回私のおすすめは『百年読書会』。
 ちょうど、今回、「さいたまブッククラブ」の
 初めての試みである課題本、
 宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』も載っているので
 紹介しました。
 今回気になった本といえば、
 上野千鶴子さんの『ひとりの午後に』。
 紹介いただいたのは初参加のTさん(♀)。
 この本を媒介にして、男と女のどちらに生命力があるかどうか、という
 深遠な? 議論をもう少ししたかったところです。

 ところが、なにしろ今回は17人。
 紹介本だけで3時間になろうとしていて、
 せっかくの宮沢賢治がきわどくなってきました。
 『銀河鉄道の夜』、発車ベルがなります。
 同じ本を読んで、いったいメンバーからどんな感想がでるのか
 興味深々。
 さあ、どなたからでも。

 最初に話されたYさん(♂)がまず「不快感」と発言。
 いきなりの先頭打者ホームランでしたね。
 私的には、美しいうつくしいお話だったとずっと思っていましたから、
 「ほほう」どころか、「ガーン」の世界でした。
 実は『百年読書会』のなかでもそんな意見がでていて、
 けっしてYさんがまちがっているわけではありません。
 メンバーのなかには、この物語を読むのに難儀した方も
 たくさんいます。
 案外、宮沢賢治はそういう面ももっているのかもしれませんね。
 しっかり読めば読むほど、深くなっていく。
 それが宮沢賢治の魅力でもあるでしょうし、
 宮沢賢治の難しさでもあります。

 また、この『銀河鉄道の夜』には決定稿がない、という話もでました。
 たしかにこの作品にはいくつかの異稿が存在します。
 たくさんでている文庫本にも、表現の仕方がいろいろあります。
 今回の課題本でたくさんの本を比較してくれたM嬢(♀)の指摘は
 そのとおり。
 S青年(♂)がもってきてくれたちくま文庫の全集版では
 そのあたりの解説が詳しく載っています。
 その話をきいて思うのですが、
 『銀河鉄道の夜』はそういう点で純粋に読めないとしたら
 なんと不幸な作品なんでしょう。
 宮沢賢治という大きな宇宙的な作者によって書かれたことで、
 まるでいくつも検査されているような感じがします。
 本当なら、そっとしてあげないといけないのかもしれません。

宮沢賢治全集 (7) (ちくま文庫)宮沢賢治全集 (7) (ちくま文庫)
(1985/12)
宮沢 賢治

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 一冊の本を
 たくさんの人と読む。
 肯定、否定、判断保留、それはさまざま。
 読書会のひとつの魅力だと思います。
 あるいは、
 「さいたまブッククラブ」のように
 互いに好きな本のことを語り合う。
 これもまた、
 読書会の魅力でしょう。
 どちらがいいとかということではないのだと思います。

 先日(7.28)日本経済新聞の全面広告のなかで
 読書の達人松岡正剛さんがこんなことを言っていました。

  共に本を語るだけで、会話の「層」、つまり厚みが
  違ってきます。これを「共読社会」とか「ブックウェア」と
  いいます。

 そういう新しい社会がちいさなブッククラブから
 育っていけばいいですね。

 そうそう、お酒の話。
 今回は会終了後、メンバーで暑気払いという
 日本的便利的納得感ありの、飲み会で
 最後まで盛り上がりました。
 さいたまの夜は遅くまで
 熱かった!

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