02/09/2009 私の好きな作家たち 第五回 手塚治虫

まずは、めでたい。
以前書きましたが、漱石先生の誕生日でもあります。
こちらの方がずっとめでたい。
それと、手塚治虫さんの亡くなった日(89.02.09)でもあります。
もう亡くなってから20年にもなるんだ、という感慨とともに
「私の好きな作家たち」の第五回は、手塚治虫さんです。


それも没後20年にして、今も多くの作品が色々な形で出版される
「漫画の神様」です。
有名な作品だけでも数限りない。
まずは「鉄腕アトム」。アトムの顔なら、まだ描けますよ、私。
「ジャングル大帝」「火の鳥」「リボンの騎士」「ワンダー3」「マグマ大使」
「ビッグX」「三つ目がとおる」「ブラックジャック」「アドルフに告ぐ」・・・
いやあ、まだまだあります。
たぶんあれだけ書いた手塚さんですから、人によって好きな作品も
違うでしょうね。
でも、本当に宇宙人みたいな人ですよね。

今でも私の書棚にありますよ。
原作もいいけど、TVアニメ(1965)が素晴らしかった。
カラーアニメのさきがけですよね。
たしか冨田勲さんが音楽だったと思いますが、
テーマ音楽も重厚でした。
昭和40年とはいえ、まだこの国は貧しかった(現在と比べて)ですから、
もう壮大というか、こんな世界があるのだろうかと
文化的なショックを子供なりに受けましたね。
だから、私にとっての手塚治虫さんは漱石以上に感化を受けた
作家といってもいいかもしれません。

手塚漫画が時代の先を見続けてからに違いありません。
あと10年、20年経っても、
まだ手塚漫画を読んでいる、そんな気がします。
今回の付録のような書評は、
手塚治虫さんがあの岩波新書として出版された時の
私の「読書ノート」からのものです。
![]() | ぼくのマンガ人生 (岩波新書) (1997/05) 手塚 治虫 商品詳細を見る |

今回の手塚治虫の新書は、次の二点においてかなりユニークである。
まず一つは、著者がすでに亡くなっていること。それも没後八年(注:この岩波新書は1997年に出版)にもなる著者から新刊が出るなんて珍しい。実際には手塚生前の講演記録などからテープ起こししたものらしいが、読んでいて、天国から直に手塚が語っているようにも感じた。
次に、これは間違いなく新書で初めてのケースだろうが、マンガが収録されている。収められているのは、手塚の「ゴッドファーザーの息子」。そのことにあまり違和感をもたないのは、いかに手塚の作品が充実しているか、あるいは普遍のものであるかという証明だろう。
(1997/05/31)
| Home |