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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は立春
  暦のうえでは春。

   立春や娘の膝まるき夜の畳  畠山譲二

  でも、実際にはまだまだ寒さが残ります。
  皆さんも風邪などひかないように
  してください。
  今日紹介するのは
  昨年亡くなった井上ひさしさんの
  『この人から受け継ぐもの』という
  講演記録集です。
  書評のなかにも書きましたが
  宮沢賢治とか現代にもつながる人々のことを
  井上ひさしさんがわかりやすく
  解説しています。
  そういえば、
  最近講演にも行けていません。
  ああいう場で
  その人の生の声で聴く話というのも
  なかなかいいものです。
  春になって
  あたたかくなったら
  また講演にも行きたいものです。

  じゃあ、読もう。

この人から受け継ぐものこの人から受け継ぐもの
(2010/12/18)
井上 ひさし

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sai.wingpen  この人が残してくれた遺産                矢印 bk1書評ページへ

 この本の書名『この人から受け継ぐもの』の「この人」とは、大正期の思想家吉野作造であり、作家で詩人の宮沢賢治であり、戦後の道しるべであった丸山眞男であり、ロシアの作家でチェーホフである。
 そして、同時にこれらの人々の生き方や思いに寄せた、劇作家であり作家でもあった井上ひさしのことでもある。
 そう、この本の書名は昨年亡くなった「井上ひさしから受け継ぐもの」であってもちっとも構わない。

 本書には井上ひさしが先にあげた先人たちについて語った講演記録三篇とエッセイ二篇が収められている。どれも読んでいて井上ひさし流のユーモアが散りばめられていて楽しい。きっと実際の講演は笑いが絶えなかったのではないだろうか。
 特に大正デモクラシーの旗手でもあった吉野作造について語る井上の話は実に巧妙で、興味しんしんに聞きいっているうちに、憲法や国家のありかたを学び、考えさせられるように導いている。そのように内容が充実しているのは、井上ひさしがすこぶる勉強家だったからだと思う。
 丸山眞男について語った講演のなかに井上が戦争末期の貴重な資料を手にいれるエピソードがあるが、わずかの差で手にはいらなかった資料を古本屋と掛け合い写本するなど、まるで昔の書生のように実直で、頭が下がるのである。
 井上ひさしの遅筆は有名だが、このようなこだわりが結果として遅筆になってしまったのではないだろうか。

 井上ひさし自身がこれらの先人が残したものを「読み継いでいこう」としたように、井上が亡くなった今、私たちもまた井上ひさしが残したものを「読み継ぎ」「受け継」いでいかなければならない。その先に井上が願った世界があるような気がする。
  
(2011/02/04 投稿)

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