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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する筒井康隆さんの『漂流』の
  出版記念的な鼎談が
  1月30日の朝日新聞に出ていました。
  鼎談したのは、
  大江健三郎さん、丸谷才一さん、筒井康隆さん。
  この三人の顔合わせ、すごいですよね。
  そこで、大江健三郎さんは筒井康隆さんのことを
  大絶賛されています。
  この鼎談は、これだけでブログの記事にしたいくらいです。
  少しだけ紹介すると、
  丸谷才一さんがこんなことをおっしゃています。

   本というのは、おのずから他の本を読ませる力があるものなんです。
   ある本が孤立してあるのではなく、本の世界の中にあるのだから、
   感動すれば自然に、他の本に手がでる仕組みになっているんだ。

  なるほど。まったく同感です。

  じゃあ、読もう。

漂流 本から本へ漂流 本から本へ
(2011/01/07)
筒井 康隆

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sai.wingpen  いい読書人のつくり方                  矢印 bk1書評ページへ

 「筒井康隆のつくり方」と著者である筒井康隆さん自身が書いているように、本書は筒井さんがどのような本を読んで、どう成長してきたかをそれぞれに時代とともに描いた自伝的書評エッセイです。
 初出である朝日新聞日曜書評欄に連載が始まった第一回めが田川水泡の『のらくろ』で、面白い連載が始まったという期待でいっぱいでした。江戸川乱歩の『少年探偵団』、手塚治虫の『ロストワールド』などの続く幼少年期の読書は面白いのですが、年を追うごとに筒井さんの読書の幅が広がって、朝日新聞の連載記事から足が遠のいてしまいました。私の読書傾向が筒井さんの幼少年期程度ということなのでしょう。
 こうしてその連載が一冊にまとまって66冊の本を一望すると、筒井さんの読書はさすがというしかありません。
 「筒井康隆のつくり方」というよりも、「いい読書人のつくり方」といっていいのではないでしょうか。

 新聞の連載が終わったあと、筒井さんはご自身の読書歴を「面白い本を飛び石伝えに読んでいただけ」と話していますが、その本のラインナップをみると、幅の広さと読むことの真剣さはとても真摯で、読書人としても超一流だと思います。特に演劇青年時代である高校生から青年期の読書は、ショーペンハウエル、フロイド、カフカと重厚な作家や作品が並びます。こういう作品をみると、やはり若い頃の読書はその後の人間形成にとっていかに大事かと思われます。
 もちろん、環境もあります。筒井さんの場合は家に文学全集が並び、親戚の家にはもっとたくさんの本がありました。大変恵まれていたといっていい。手にしやすかった。ただ、それに手をのばすかどうかは、やはり筒井さんの志向です。本に手をのばしたそのことは筒井さんの意思です。
 読書とは、面白い本を求めつづける行為なのでしょう。
 まさに書名のとおり、「本から本へ」の「漂流」そのものです。
  
(2011/02/18 投稿)

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