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プレゼント 書評こぼれ話

  今日も昨日のつづき。
  お待たせしました。
  川上弘美さんの「東京日記」の最新刊
  『ナマズの幸運。』の登場です。
  このシリーズの魅力は
  なんといっても川上弘美さんの
  文章の魅力なんですが、
  挿絵の門馬則雄さんの
  ほのぼのしたイラストも
  いいのです。
  川上弘美さんの文章にぴったり合っているというか
  文章の魔法を倍増させてくれます。
  このイラストだけ見るのも
  楽しい読み方です。
  川上弘美さんはこの本に書かれている内容について
  「ほんとうのこと」の記述率を
  「十分の九くらい」と書いていますが、
  そうすると「赤いパンツ」の話は
  「ほんとう」の話で
  私としてはいよいよ妄想がつのるわけです。
  「パンティ」と書かずに
  「パンツ」と書いた
  川上弘美さんに脱帽です。

  じゃあ、読もう。
  

東京日記3 ナマズの幸運。東京日記3 ナマズの幸運。
(2011/01/26)
川上 弘美

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sai.wingpen  赤いパンツの妄想。                  矢印 bk1書評ページへ

 耳の奥が少し痛い。耳朶の後ろを押してみると違和感が残る。小人が住みついていたらどうしょう。 そんなことをつい思ってしまうのは、川上弘美さんのお馴染みのシュール系ほのぼのエッセイ『東京日記3 ナマズの幸運。』を読んだからだ。違和感を具体的なものに変えてしまう魔術にかかってしまったにちがいない。

 それに、赤いパンツがちらちら過ぎるのにも焦っている。しかも、川上弘美さんが履いている赤いパンツだから、実に困る。頭を振って赤いパンツを追い出そうとするのだが、今度は紫のパンツが現れる。そして、川上弘美さんがにっこり微笑まれる。とても困る。
 赤いパンツの話など川上弘美さんが書くからいけない。でも、この話抜群に面白かった。それに川上さん自身この話を楽しんでいる節があって「あとがき」で「パンツに対する自分のなみなみならぬ熱意」と書いている。さらに更年期との関係も疑っている赤いパンツ問題は、きっとこのあとも続くのではないかと、楽しみにしている。

 そんな多分ささやかな具象でこの世は満ちている。いつもどおりの生活をそんな視点で見渡せば、幸運なのはナマズだけでなく、白菜、大根、洗濯機、靴下にも宿っている。それを見つけることができる人こそ幸運で、さしずめこの本は「読者の幸運。」といっていい。
 ただ一つ欠点があるとしたら、赤いパンツを履いた川上弘美さんが微笑んでいる妄想から逃れられないことだ。
 困った。困った。耳朶の奥で小人が踊る。
  
(2011/02/23 投稿)

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