04/03/2011 はるがきた(ジーン・ジオン):書評「春はもうすぐ」

絵本との出会いはいつも不思議な偶然です。
今回紹介したジーン・ジオンさんの
『はるがきた』も
何げなく手にした絵本でした。
それが、今一番困難な状況にある東北地方の人たちへの
メッセージのようであったことの
不思議を感じます。
本はなにげなくそこにあるのではなく
いつもこのような不思議を
実感させてくれます。
この絵本は華やかな色彩のものではありません。
色使いはむしろとても押さえられています。
それでも、春を待つ人びと、春を迎えた歓びが
きちんと伝わってくる
そんな絵本です。
書評にも書きましたが、
被災地に春が早く訪れることを
願っています。
じゃあ、読もう。
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今年はいつまでも寒い。東北関東大震災があって、人びとの気持ちがそれでなくても小さくなっているのに、なかなか暖かくならないのはつらい。特に被害の大きかった東北地方は寒さの厳しいところだから、本格的な春の訪れはまだもう少し時間がかかるだろう。
この絵本に描かれているのも、そんな春を待つ人びとのこと。なかなか来ない春に「ひとびとは まちの いろと おなじように くらくて しずんだ きもち」になっています。
そんな時、ひとりの男の子がこんなことを言い出します。「まってなんか いないでさ、ぼくたちで まちを はるに しようよ!」と。
町の人びとの大作戦が始まりました。みんな色とりどりのペンキをもって、町を春一色に塗りかえていきます。みんなのうれしそうな表情といったら。明るい色は町の人びとを楽しい気分にさせます。
ところが、その夜町に雨が降りはじめて、せっかくみんなでつくった春は流されてしまいます。町の人びとは肩をおとすのですが、その雨がほんものの春を町につれてきました。
「まちじゅう どこを みまわしても、すべてのものが めざめ、いきいきと かがやいています」
大きな災害、厳しく長い冬。東北地方の人たちにとって、今年ほど困難な冬の季節はないでしょう。
でも、この絵本の町のように、間違いなく春はやってきます。それももうすぐです。
被災地の「すべてのものが めざめ、いきいきと かがや」く春が一日も早く訪れることを願わざるをえません。
と同時に、自分たちで春をつくった絵本の町の人たちと同じように、自分たちの手で春にしていくことも大事だということを、忘れないでいたいと思います。
(2011/04/03 投稿)

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レビュープラス
夏の雨
片木 慎一さん
いつもコメントありがとうございます。
今年ほど春が待ち望まれる年も
ないですね。
東京はようやく桜がちらちら
咲いてきました。
東北にも桜の名所がたくさんありますが
今年も満開の花を咲かせてほしいものです。
いつもコメントありがとうございます。
今年ほど春が待ち望まれる年も
ないですね。
東京はようやく桜がちらちら
咲いてきました。
東北にも桜の名所がたくさんありますが
今年も満開の花を咲かせてほしいものです。
2011/04/04 Mon URL [ Edit ]
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