fc2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  絵本との出会いはいつも不思議な偶然です。
  今回紹介したジーン・ジオンさんの
  『はるがきた』も
  何げなく手にした絵本でした。
  それが、今一番困難な状況にある東北地方の人たちへの
  メッセージのようであったことの
  不思議を感じます。
  本はなにげなくそこにあるのではなく
  いつもこのような不思議を
  実感させてくれます。
  この絵本は華やかな色彩のものではありません。
  色使いはむしろとても押さえられています。
  それでも、春を待つ人びと、春を迎えた歓びが
  きちんと伝わってくる
  そんな絵本です。
  書評にも書きましたが、
  被災地に春が早く訪れることを
  願っています。

  じゃあ、読もう。


はるがきた (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)はるがきた (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)
(2011/02/19)
ジーン・ジオン

商品詳細を見る

sai.wingpen  春はもうすぐ                  矢印 bk1書評ページへ

 今年はいつまでも寒い。東北関東大震災があって、人びとの気持ちがそれでなくても小さくなっているのに、なかなか暖かくならないのはつらい。特に被害の大きかった東北地方は寒さの厳しいところだから、本格的な春の訪れはまだもう少し時間がかかるだろう。

 この絵本に描かれているのも、そんな春を待つ人びとのこと。なかなか来ない春に「ひとびとは まちの いろと おなじように くらくて しずんだ きもち」になっています。
 そんな時、ひとりの男の子がこんなことを言い出します。「まってなんか いないでさ、ぼくたちで まちを はるに しようよ!」と。
 町の人びとの大作戦が始まりました。みんな色とりどりのペンキをもって、町を春一色に塗りかえていきます。みんなのうれしそうな表情といったら。明るい色は町の人びとを楽しい気分にさせます。
 ところが、その夜町に雨が降りはじめて、せっかくみんなでつくった春は流されてしまいます。町の人びとは肩をおとすのですが、その雨がほんものの春を町につれてきました。
 「まちじゅう どこを みまわしても、すべてのものが めざめ、いきいきと かがやいています」

 大きな災害、厳しく長い冬。東北地方の人たちにとって、今年ほど困難な冬の季節はないでしょう。
 でも、この絵本の町のように、間違いなく春はやってきます。それももうすぐです。
 被災地の「すべてのものが めざめ、いきいきと かがや」く春が一日も早く訪れることを願わざるをえません。
 と同時に、自分たちで春をつくった絵本の町の人たちと同じように、自分たちの手で春にしていくことも大事だということを、忘れないでいたいと思います。
  
(2011/04/03 投稿)

  芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/915-c0e71ec1