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プレゼント 書評こぼれ話

  最近は少年漫画にしろ青年漫画にしろ
  雑誌という媒体で読むことが
  ほとんどなくなりました。
  あまり読みたいと思うことがなくなって
  それも年齢と少しは関係しているのかもしれません。
  でも、本質的には
  漫画を読むのは嫌いではありません。
  今日紹介するのは、漫画です。
  益田ミリさんは最近人気がある人ですが
  この『ほしいものはなんですか?』は
  とっても考えさせられる漫画です。
  いえいえ、眉間にしわ寄せということではなく
  気軽に読めるのですが
  それでも考えさせられます。
  特にアラフォー世代の女性には
  ぜひ読んでもらいたい一冊です。

  じゃあ、読もう。

ほしいものはなんですか?ほしいものはなんですか?
(2010/04/22)
益田 ミリ

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sai.wingpen  漫画は文学を超えたか                矢印 bk1書評ページへ

 かつて石ノ森章太郎に「漫画ではなく萬画だ」と言わしめた程、漫画という表現方法は多種多様な世界を描いてきた。
 その一方で、漫画という直接的な表現方法では想像性が育たないとも言われた時代もあった。文学でいうところの「余白を読む」というものが漫画には欠如しているという批判である。
 イラストレーターでもある益田ミリのこの作品はそういった文学優位性を払拭させるほどの力がある。
 漫画は文学を超えた。

 主人公は40歳の主婦。夫と小学生の一人娘の三人で暮らしている。「家のローンももうすぐ終わるし 主人の給料もそこそこで、子供はかわいいし、みんなに「幸せ」って言われてるのに」どこか心に空白がある。
 娘に「ほしいものは?」と訊ねられて答えられない。空白をうめるものさえ彼女は見失っている。
 仕事から帰ってきて指図する夫に彼女は時々こう言ってみたくなる。「わたしはぜんぜん働いてないの?」って。
 そんな女性の心理をほとんど単調ともいえる線で描いたこの作品はもう漫画の域を超えている。
 余白だらけの漫画といっていい。

 女性には納得の作品だし、男性には反省をうながすかもしれない。いや、もっと広く、人間のありようを見事に表現した作品といえる。
 文学はうかうかとしていられない。
 ところで、「ほしいものはなんですか?」と訊かれて、あなたならなんと答えますか。
  
(2011/05/10 投稿)

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